日本画クラスでは今秋、「萩図」をお稽古しております。
萩は優美さと可憐さで、日本では大変に愛されてきた花で、
万葉集では萩の花が一番多く詠まれたそうです。
9/9のお稽古日は台風の翌日であったため、一週間延期し、
クラスでは満を持しての「萩図」への取り組みとなりました。
萩と野分、そもそもが秋らしい取り合わせに、
ご縁を感じてしまいます。
さて、今回の日本画講座では、もっと筆遣いについて研究を進めて頂こう、
と思いましたので、
日本画のなかの付け立て画法に焦点をあて、
最初の授業では、墨を磨り、付け立ての練習ばかりを4時間もいたしました。
葉の描き方をやり、次に枝の描き方を練習します。書道とは違うので、
何度も何度も、繰り返し筆を動かして、手を慣らしていきます。
萩の花穂の部分。単純にみえる描き方が一番むずかしく、
花芯のやわらかな曲線など、微妙なラインがなかなか描けません。
花弁の付き方にも観察が必要で、
運筆も書道とは違いますので、これも繰り返し練習が必要です。
テキストなどを使い、解説を交えながら、ひとつひとつ丹念に練習していきます。
【参考】
こちらは、最近の水墨画クラスでも丁度取り組んでいる萩の墨絵です。
同じ付け立てでも、やはり水墨画の方がより厳しさが増すといえます。
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どんどん描き込んでいく事こそが、最初は難しかったりします。
萩の葉をどんどん描き加えていき、
全体を描いてみると、
萩の優美なやさしさが ほのぼのと心のなかに広がって、
あかるい気持ちになりますね。
力強いエネルギッシュな絵ばかりが、絵の味わいなのではないし、
このような優美な題材も、やさしさを保ったまま描き込むには、
とても精神力が必要です。
優美そうに見えて、強さの象徴のような、そんな「萩図」と言えるでしょう。
生徒のみなさんの完成作品が、とても楽しみです。
琳派墨絵クラブ