さてお芝居、カミュ作の古い戯曲だから分かりにくくて難しいのだろうという先入観を持っていたのですが、結構大丈夫でした。哲学的なところはかなりありましたけどね。残酷な暴君カリギュラの話ですが、コミカルなシーンもちょこっと混じってたりしていてそんなに残酷さは感じられず、意外と冷静に淡々と観れました。独特のセリフ回しだったので、セリフを聞き逃すまいと一生懸命になってしまったせいか、イマイチ感情移入できなかったことが自分的に残念。周囲ですすり泣いている女性達がうらやましかったな~。あ、でも小栗くん演じるカリギュラと勝地くん演じるシピオンの2人だけのシーンはすごく良かったです。ゾクゾクッときましたよ~。横田栄司演じるエリコンのセリフはときたまドキッとするセリフがありましたし、ケレア役の長谷川さんの全てを見通しているかのような全編に渡る(ウマイ言葉が見つからなくて言葉はあまり良くないけど)「薄ら笑い」もステキでした。
小栗くんはよくあんな役を演じられるな、とひたすら感心。狂気ゆえ、ほんと感情の起伏がすごい、めまぐるしい。見ているほうも結構エネルギーを使いますが、演者はその何倍ものエネルギーを使って演じているのですよね。全編通してほとんど裸に近い状態、激しい動きと激しいセリフで文字通りほとばしる汗・唾・よだれ。ドラマでは見たことない表情・迫力の小栗旬がステージ上にはありました。
若村さんはキレイなだけじゃなく、あの演技力。さすがのさすがです。余談ですが、私、彼女のカーテンコールでのお辞儀の仕方が大好きなんです。(前にも見たことあるはずなのですが、どこで見たのかさっぱり覚えていない…苦笑)
舞台セットは色とりどりのネオン・電球が使われていて面白かったです。激しさを表現するためか、食べ物やら割れた鏡やら血糊やら、、、舞台上の散らかしようは半端じゃありません(笑)。カーテンコールは噂どおりのスタンディングオベーション。ちなみに期待していた通路を使った芝居は一切ありませんでした。 小栗くんファンは左側の客席の方が小栗くんの表情がたくさん見れると思いますよ~。
今月下旬にもう1度観る機会があるので、そのときはドバッと感情移入して観れたらいいなぁ、と思っとります。 いじょ、初日の様子&感想でしたっ。
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