お寺の台所を司る典座(てんぞ)和尚の自主研修会が横浜で行われました。
ご存知の方も多いと思いますが、1月5日、永平寺の第78世宮崎奕保猊下が亡くなられました。これを受けて、慶弔会(新住職の就任式と本葬儀)が4月4日、5日に行われることになりました。さらに4月中旬には永平寺第3世義介禅師さまの七百回大遠忌法要などが予定されています。今年の春、永平寺は多くの弔問や慶賀のお客様を迎え、台所を預かる典座和尚にとっても非常に慌しい月となります。
この4月の諸行事を無事成功できるよう、永平寺の台所・典座寮に手伝いに行く者同士が、今回の法要に関しての情報を交換し、旧交を温め、さらに各自の技量向上に資するよう「典座研修会」が開催されたわけです。
住職が今回の幹事を仰せつかっていたため、研修会当日、翌日と2日間にわたって横浜市内や鎌倉を研修、案内してまわってきました。
中華街の夜景
初日の夕食は中華街。四川料理のあまりの辛さに、全員唇がはれ上がるという貴重な経験をしました。また、2日目の鎌倉では、天候にも恵まれ、道元禅師旧跡、建長寺、東慶寺、円覚寺を参拝させて頂きました。
道元禅師鎌倉下向の旧蹟
三ヶ寺とも内外の掃除が行き届き、眼裏に修行僧が一生懸命に掃除している様子が浮かびました。自分の修行時代を思い起し、じぶんもがんばんなきゃ、と励まされたような気がしました。一般参拝の方々もそんな雰囲気を感じてか、みな静かにお参りしていました。
建長寺法堂の内部 やはり曹洞宗とは飾り方や安置の仕方等が違いますね。私は今回始めて中を拝観させていただきました。
円覚寺山門
どの寺も梅が5分咲きほどになっていて、ちょうど見ごろを迎えていました。ということで写真を数枚載せておきます。なんだか絵葉書みたいな写真ですが。
東慶寺鐘楼堂 最初の写真も東慶寺さまです。
円覚寺選佛場 選佛場とは坐禅堂のことです。今は使っていないようでしたが・・
お昼ご飯は、北鎌倉の精進料理「鉢の木」さんで頂きました。 精進料理と謳っていても、実際はカツオダシが使ってあったりするところが多いのですが、鉢の木さんはそういうところはないようです。どの品も丁寧に作ってあって、好感がもてるお店です。
鉢の木さんのお膳
写真にはありませんが、一番美味しかったのは若竹煮。木の芽の香りがふわっと漂い、眼を閉じると、雪が残る春山で芽吹いたばかりの木々に囲まれているような気分になりました。
若布も筍も旬のものですが、それに限らず、時期のものを炊き合わせてさらに旨みを引き出すという先人の深い智慧には頭が下がります。
そういえば、フランスのサルコジ大統領が「フランス料理を世界遺産に指定すべし」ということを言ったそうです。それならば、味はもちろん、歴史文化的な点から見てもエコロジーという観点からしても、精進料理や和食だって充分その資格はある、いや、なって当然と思うのですが、いかがでしょう?(もちろん、私はフランス料理も大好きですが)
4000円程度のコースをいただきましたが、量は見た目よりもけっこうあります。最後のご飯を少なめにして頂いたくらいです。(写真は最初に出てくるお膳です) お店を後にするときには、もう満腹でありました。
ああ、それなのに、鎌倉を後にして横浜近くになったら友人が「〆はやっぱりつるつるっといきたいねえ」というのでひさしぶりに中区山元町の山本という手打ちそばやさんへ。で、そば好きで食いしん坊の住職はせいろを3枚も食べてしまったのでした。ああ正座がつらくなる・・・
お寺の台所・典座のことについては徐々にアップしていこうと思っています。お楽しみに。 今日はここまで。
はじめです(^_^)
いいですねぇ。
典座の皆様が来訪された鉢の木さんの
心中やいかに・・・(笑)
今度、方丈さんや檀家さんと共に
北鎌倉を巡る
「精進料理と写真教室の会」でもやりましょうか。
永平寺や總持寺、可睡斎などの精進料理とはまた違いますね。結構勉強になりました。他の参加者も、海苔巻き状のお稲荷さんや、百合根の蒸し物など、使えそうな献立を写真にとっていました。
北鎌倉を巡る「精進料理と写真教室の会」
いいですねえ、講師はもちろん、はじめ君ですね。
参加したかったですね!その頃引っ越しの積み込みに必死でした。
ところで、今月末も引越しがあるのではないですか?年頃の娘さんがいると、父親はほんとに大変ですよね。
次回は新潟がよろしい、という話が出ています。今度お会いした時に相談いたしましょう。