下記の記事は日刊ゲンダイデジタル様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。
2年ぶりに有観客で行われた「第72回NHK紅白歌合戦」。会場はNHKホールが改装中のため、東京国際フォーラムに変更。今回、NHKが掲げたテーマは「Colorful~カラフル~」は多様性を意識してのことだという。司会の総合・紅・白の区分は廃止され、大泉洋(48)、川口春奈(26)、和久田麻由子アナ(33)は、3人で全出演者を応援するスタンス。五木ひろしら常連の演歌歌手は出演せず、音楽配信市場で話題となった若手を出演させるなど、若者視聴を意識した改革も話題となった。企画コーナーを除き43組の歌手が紅白に分かれて熱唱し、紅組が優勝したが、コラムニストの桧山珠美氏はこう話す。
■若者向けキャスティングの是非
「明らかに高齢者を切って、若者の方を向いたキャスティングでしたね。個人的にはソコソコ楽しめましたが。審査員も大河ドラマや朝ドラの関係者ばかり。本来、あそこには大谷翔平とかが座っていないといけないのにソデにされていて、『国民的歌番組』のブランド力の低下を感じました。そもそもカラフルだとか多様性だとかをうたいながら、最後は紅白で勝ち負けをつけるあたり、“あれだけ言っておいて何だったんだ”という気持ちになってしまった。優勝旗の授与もなし。全体的に中途半端さが目立ち、NHKの苦悩を感じさせましたね」
その中途半端さが反映したのか視聴率は大惨敗。午後9時から11時45分までの第2部の平均世帯視聴率は、前年より6.0ポイント減となり、過去最低だった2019年の37.3%を大きく下回る史上最低の34.3%に(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。例年裏番組トップのダウンタウンの「笑ってはいけない」(日本テレビ系)が今回は放送されないことで、そこからの流入も期待されていたが、そうはならなかった。若い視聴者がネットフリックスなどの映像配信に流れてしまったことも一因だといわれている。
■年に一度の音楽フェスに
メディア文化評論家の碓井広義氏はこう話す。
「一年の終わりを締めくくる『歌の祭典』としての紅白はあっていいと思います。しかし、性別で紅白に分けて競い合わせたり、歌の優劣や勝敗を決めることに、多くの人が違和感を覚えるようになってきたのは事実でしょう。だからといって、楽しみにしている人も多いので、番組自体を廃止してしまう必要はない。例えるなら、紅白歌合戦は巨大な船なんです。そう簡単にカーブできない。曲がるのは少しずつです。しかし“変わらなくてはいけない”という作り手の進化への強い意志は感じました。私は結構よかったと思います」
しかし「紅白歌合戦」の看板を掲げている限り、今の基本スタイルの呪縛からは逃れられないとして、碓井氏はこう続ける。
「今回は音楽以外のバラエティー的な演出やそうした対決の要素を最小限にとどめて、しっかりした『音楽番組』になっていたことは評価できる。さらには、年に一度、人気アーティストが一堂に会する国内最大級の“超豪華な音楽フェスティバル”にいつ完全に変わるかでしょうね。自分が知らなかった曲を知ることができたり、今年一年の日本の音楽シーンがすべて分かるということは、十分楽しめるはずですから」
時代に合わせて変容できなければ視聴者にソッポを向かれ、恐竜のように滅びるしかないのが自然の摂理である。
NHK紅白「若返り演出」完全裏目の皮肉…藤井風より“企画枠”細川たかしに安心感
大晦日のNHK紅白歌合戦は“若返り”を図った結果、ネット動画で人気の藤井風や、まふまふ、初出場会見でのかけ声「ち○ぽ!」コールで話題になったBiSHらコアなファンを持つアーティストが多数出場。藤井風が実家の岡山から出演したかと思ったら、突然紅白のステージにワープ、MISIAと楽曲提供している「Higher Love」で共演し、初登場にして3曲を披露。東京国際フォーラムを一陣の風が吹き抜けた。
しかし、「今回の紅白は曲を長めにしたり、メドレーにしたり“演出に凝りすぎて裏目に出た”といえます」と言うのは音楽評論家の富澤一誠氏だ。
「2018年に米津玄師
が初出場した際はカラオケで人気だったり、まだ誰もが知っている感はあったけれど、藤井風もまふまふも『一体誰?』が先に立つし、YOASOBIは映像に凝りすぎて、ガチャガチャして視聴者がついていけていない。むしろ、細川たかしなど企画枠や演歌勢など往年のヒット曲の安心感と必要性を感じさせた。紅白は今年この一曲をもって圧倒させたいという心意気があってこそ“歌合戦”の意味も出てくるというもの。“歌合戦”を期待すると違和感ばかりが目立つので、むしろ名前を“歌謡祭”に変えた方が理解しやすいのでは」
紅組白組で男女に分かれて歌うという番組のコンセプトそのものが昭和の遺物となってしまった。
追記:NHKの視聴料をだれが払っているかを考えているか。若者向けと言っても払っているのは高齢の親です。加入者を対象にアンケートを取ったらどうでしょう。新聞でも同じことが言える。
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