![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/1c/da0b4531ef63227fd9bd2012d7bca5a3.jpg)
こういったレールを曲げたような複雑な曲面に関しては、スプラインモデラーである「Shade」は強い。
勿論ポリゴンモデラーやソリッドモデラーなどでも「パス押し出し」等で出来るのだが、それらのモデラーだと後からの修正や微調整が結構面倒である。「Shade」の場合は最終的にポリゴンメッシュ化するまでは、そういったことを気にせず何度でも簡単にやり直しが効くので気楽である。基本的にベジエ曲面で構成するモデラーだから元となる曲線パス自体も作り易いしね。
---*---*---*---
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/21/f9b9175ebb7d92b0d7f39f84e163cc43.jpg)
<Shade10.5Professional>
(赤い毛みたいなのは法線ベクトルで、これでポリゴン面の向きがワイヤーフレーム表示でも分かる)
あまり興味はないかもしれないが、これが「Shade」の作業画面。出来ればデュアルモニターで作業したいぐらいにツールパレットは多い。本格的にやっていた頃はデュアルモニターにしていたが、今はサードPCにインストールしているのでシングルモニター。故に登録したショートカットキーを多用するので、矢橋ホキモデリング時に左手の指が攣りそうになったりする(笑)。
端部の砕石などを見ると僅かな曲線で構成された曲面になっているのが判ると思うが、最終的にはポリゴン化してカクカクになる。しかし、そのカクカク具合は自分で決定できるので、最後にポリゴン量とのバランスを考えればよく、モデリング中に悩む必要はない。これが結構大きなメリットなのだが、実際にモデリングをしたことが無い人には、このメリットというのは多分解りづらいだろう。
---*---*---*---
さて、私はこの「Shade」でTrainz用のストラクチャーをモデリングしているのだが、オススメ出来る3Dモデラーかというと正直なところ微妙である。3DSを書き出せるのが高価なプロフェッショナル版だけということもあるが、それ以上にこのツールを使いこなせるかどうかという点で大きな壁があると感じている。
それは「Shadeは基本操作が単純で簡単。故に、難しい。」という一見矛盾したような説明になる。
本当に「Shade」の基本操作は単純で簡単なので、多分一週間もあれば基本操作は覚えられるだろう。しかし、「操作できること」と「作りたいものが作れる」というのは全く別次元の話である。
「基本コマンドが単純」ということは、裏返せば「基本テクニックだけでは単純なモノしか作れない」ということであり、「作りたいものを作る」ためには幾つもの基本テクニックを組み合わせて作らなければならない。つまり、複合技・応用技を覚えることが最も重要になる3Dモデラーなのである。
なので、このソフトの入門書は熟読してもあまり意味がない。それよりもパワーユーザーによる作品の解説本などを数多く読んでテクニックを盗んだり、徹底的に使い込んで自分なりのテクニックを開拓することが重要である。
私はShade初のWindows版である「Debut」の頃から使っているが、当時Windows版の書籍は無かったのでMAC版のパワーユーザー向けの書籍を数冊買って練習した。それ以前はtrueSpaceを使っていた3D経験者ではあったが、それでもある程度作りたいモノが作れるようになるまで1ヵ月半ぐらいはかかっただろう。ちなみに、その1ヵ月半は仕事をしていない期間であり、ブッ続けの1ヵ月半ということなので要注意。働きながら覚えるというならば半年ぐらいは(というのはちと大袈裟かもしれないが)かかる覚悟はした方が良いだろう。
そういうことなので、中途半端な気持ちでは多分モノにならないソフトだろうと私は思っている。兎にも角にも経験値が必要であり、頭で覚えるよりも体で覚えるレベルにならないと使いモノにならないという点でCADなんかと近しいものがある。だから、私は「Shade」を気に入ってはいるが、あまり褒めちぎって推奨したりはしないのである。
まぁ、3Dツールというのはそもそも非常にクセが強い部類のソフトウェアなので、向き不向きというのもあるだろうが、やるならば本気にならないとモノにならんよというありきたりな話になってしもうたな(笑)。