ツイッターにて実施した第二弾アンケートの結果、「鉄道模型シミュレーター」に対するイメージは第1位が「値段が高い」でした。そのように多くの人から「鉄道模型シミュレーター」は見られている訳ですが、本当に値段が高いのでしょうか? 久しぶりの長文ですがお付き合いくださいませ。
まずは実物のNゲージ模型と比較してみましょう。例えば「鉄道模型シミュレーターNX001」は、EF58、キハ58、キハ28、クモル145、クル144が入って定価6160円です。一方NゲージだとKATOと鉄コレの製品を合わせて合計20720円になります。3倍以上の費用が掛かる訳ですが、これは1車種につき1両の場合であって編成を組むために車両を増やせばその分費用は嵩みます。しかし「鉄道模型シミュレーター」の場合は幾ら編成を増やしても費用は変わりません。ここが大きな違いです。実物のNゲージ模型と比べた場合は圧倒的に「鉄道模型シミュレーター」の方が安いと言えます。
次にゲームとして比較した場合です。「Railsim」はフリーソフトなので無料ですから当然コストパフォーマンスは圧倒的に良い訳ですが、自力でプラグインを揃える必要があるなどかなりの専門知識を必要とします。また「Trainz」については本体は安い(4500円)ですが、DLCを集めればそれなりの価格になりますし、ユーザー制作のアセットを使うにもサブスクとなったFirstClassTicketが必要です。それにある程度の英語力も必要です。
ということで「鉄道模型シミュレーター」と比較するならば同じシミュレーター製品のジャンルにあたる「JR東日本トレインシミュレータ」が一番適当ではないかと思います。「JR東日本トレインシミュレータ」は本体は2980円ですが、DLCが1路線あたり2980円から6980円となっており、それなりの価格です。しかしそんなに高いという声は日本国内では上がっていないように見えます(海外ユーザーからは上がっているようですが)。で「鉄道模型シミュレーターNX」はスターターキットがあるのでスタートは無料です。パッケージは規模によって様々ですが「鉄道模型シミュレーターNX009 D51 1 盛岡機関区」の4180円からとなります。VRM5互換パッケージはV0やV1の6160円からとなりますがたくさんの車両が入っているのでかなり楽しめますからお得です。こう考えると両者は同じ程度に思えるのですが如何でしょうか。
ここまでは購入費用という面から検討してみましたが、次は実際に鉄道模型で遊ぶという使用面から考えてみましょう。
Nゲージの場合、遊ぶとなるとレイアウトが必要です。固定レイアウトは大きなスペースを取るので実際に持てる人は少数です。お座敷レイアウトもある程度スペースが必要な上に毎回組み立てたり片付けたりという煩わしさがあります。またレンタルレイアウトの場合はそこまで行かなくてはならないし、利用料として1時間あたり500~1000円ぐらい掛かります。その点「鉄道模型シミュレーター」はパソコンがあればスペースは不要、片付けも不要、レイアウト利用料も掛かりません。またメンテナンスも不要ですから、遊ぶという点では実物の鉄道模型に比べて圧倒的にラクです。
但し模型を手に取り、集めて所有欲を満たすという点に関しては「鉄道模型シミュレーター」は実物の鉄道模型には敵いません。ですから、欲しい車両は鉄道模型を集めて眺め、運転走行やレイアウト制作は「鉄道模型シミュレーター」で行うというのがベストではないかと思っています。
以前の「鉄道模型シミュレーター」は1万円以上もするパッケージが幾つもあって、それらのパッケージを幾つか持っていないと思うように遊べないという状況でした。しかし「鉄道模型シミュレーターNX」は違います。スターターキットが存在するおかげで最低限の運転走行やレイアウト制作は保障されています。何なら無料でも十分遊べます。ですので私は「無料で遊べる」とか「1パッケージでも遊べる」という点を強調した記事やコンテンツを提供してきました。
また、ある程度費用が掛かるものであっても頻繁に使っているならば、全く使っていないものよりも「高い」ということにならないでしょう。つまり、
「鉄道模型シミュレーター」は費用対効果を考えれば決して高くはありません。
以前の「鉄道模型シミュレーター」で深く印象付けてしまった「値段が高い」ということを如何に払拭していくか。それが今後の課題となるでしょう。