らば~そうる “IN MY LIFE”

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1949.20世紀前後の日本

2011-03-08 | 52.The Past
【「北方領土」(外務省ホームページから引用)】

 最近のマイ・ブームは、NHK総合テレビで放映されているドラマ
『蒼穹の昴』です。清朝末期の混乱期を舞台に、架空の人物と実在の
人物を織り交ぜながら劇的なストーリ展開がなされ、思わず毎週入り
込んでしまいます。

 「内憂外患」。列強の侵出に苦しむ清朝をはじめ、ヨーロッパ列強
のアジア植民地化の情勢の中、日本は独立を守ることができました。
これはなぜなのでしょうか。

 明治維新前後の列強の事情をおさらいしてみましょう。アメリカは
南北戦争、ロシアはクリミア戦争による敗北とその後の農奴解放問題
やポーランドの反乱に悩まされていました。ドイツ・イタリアは自国
の統一運動が起こり、フランスもその影響を受けていました。また、
イギリスはインドのセポイの乱、中国の太平天国の乱の鎮圧に力を注
がなければならない状況にありました。これらをまとめると、列強の
いずれも日本侵略に注力するパワーがなかったのです。

 また、福山雅治さんの主演で話題となった『龍馬伝』でも紹介され
ていましたが、日本の幕末の志士が、日本をめぐるアジア情勢を広く
鋭く把握し、ヨーロッパ列強の植民地化に対して策を講じていた事情
もあったかと思います。

 長州藩の久坂玄瑞(尊王攘夷派で吉田松陰門下)は、太平天国の乱
と日本との関係をこのように述べています。

 英仏の力をほしいままにして皇国に向かい干戈を用いざるは
 支那の長髪賊の勢威はなはだ熾なるべし。万に一にも長髪賊
 英仏に屈せば、英仏の我に寂すること必然ならん。

 この中の「長髪賊」とは太平天国軍のことをさします。彼らが満州
族の弁髪に反対して髪を長く延ばしていたのでこのように呼称されて
いたのです。

 いっぽう、日本を植民地化しようと考えていた列強側は、これらの
アジアの民族運動をどのようにとらえていたのでしょうか。1858年、
広州総領事より初代駐日総領事になり対日政策の立案者であったイギ
リス人のオールコックはこのように考えていました。

 アジア諸民族の抵抗を考えると、日本人も「隠れた愛国心」
 をもっており、彼らの愛国心がかきたてられたら大変なこと
 になる。

 そこで、彼は日本の開国に対しては慎重なアプローチをとるように
主張しました。

 このように、日本の民族的危機を「外側から緩和したアジア諸民族
の植民地化に対する抵抗」と「幕末の日本人の主体的な改革に対する
努力」が相まって明治維新が行われた結果、アジアで日本が「一応」
独立を保ったといえるのではないでしょうか。



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