らば~そうる “IN MY LIFE”

旅、音楽、そしてスポーツのこと。過去、現在、そして未来のこと・・・「考えるブログ」。

1174.ビートルズ・IN JAPAN 1966.07.01 DAYTIME(5)

2009-01-22 | 12.THE BEATLES
 

CHAPTER 5 余韻を残して

 ジョンはオペラのように声を張り上げて、またも聴衆を煽る。一瞬
だけ「きゃ~」という歓声が上がるが、それを待たずにジョンは次の
曲を紹介する。

 NOWHERE MAN

 いくぶん物想いに沈んだような響きをもつ美しい3声が、再び武道
館を支配する。リンゴの機嫌がよくなったように見える。それにして
もポールはすごい。あのメロディアスなベースラインを弾きながら、
ジョンのメイン・ヴォーカルに沿って、コーラスをつけるのだから。
ジョージは間奏の終わりにさりげなくハーモニックスなんか披露して
くれている。

 ありがとう。どうも。

 ポールが一息つくとテレながらコメントした。

 トウキョウでいちばん流行っている、僕たちのいちばん新しい曲
 です。「ペーパーバック・ライター」。

 PAPERBACK WRITER

 レコードでは、あの重厚なコーラスを聴かせてくれたが、どんな
風にアレンジして演奏するのだろう。興味がつきない。右側のマイ
クにジョンとジョージが、左側のマイクにポールが構える。そして
果敢にも、あのコーラスを演じている。今回の演奏の中でもっとも
ライヴを感じた曲である。

 再びポールのコメントが始まる。彼は右手の腕時計に目を視線を
配りながらこう言う。

 ありがとう。本当にありがとう。次の曲で最後です。本日は
 皆さまにお越しいただき感謝します。
 
 サヨナラ。

 I’M DOWN

 ポールの表情が一瞬だけ悲しそうになったように見えた。そして、
少しだけ沈黙の時間・・・。

 You tell lies thinkin' I can't see

 ボールのシャウトが炸裂する。ものすごい爆発力だ。イントロ無し
でいきなりドカンとくる演出、選曲は心憎いばかりである。ジョンは
一年前のシェイ・スタジアムで魅せた伝説のオルガンではなくギター
を演奏している。ジョージと一緒にコーラスをつける姿が楽しそうだ。

 そして・・・。 

 最後のコードの残響がまだ館内から消えぬうちに、4人の姿はもう
ステージにはなかった。

◇◆◇

 1966年 7月 1日15時30分過ぎ。宴はお開きとなりました。その30分
弱の時間が歴史的なものであるということは、疑う余地もないところ
でしょう。

                            おわり



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