1963年11月 4日、ビートルズは『ロイヤル・コマンド・パフォーマ
ンス』に出演した際に‘Till There Was You’を演奏しました。
‘From Me To You’‘She Loves You ’と続き「おじぎ」をした後
緊張気味のポールがMCを入れています。
次にボクたちが歌いたい曲は少しスローな曲で、『ミュージック・
マン』というミュージカルからの曲です。これはボクたちの好きな
アメリカのグループ『ソフィー・タッカー』もレコーディングして
います。
ここで観客がどっと沸き、ビートルズは即座に演奏を始めます。
なぜ「ソフィー・タッカー」という箇所で観客が沸いたのでしょう
か。気になったので少し調べてみました。
ソフィー・タッカーは、1884年にロシアで生まれた後、両親と共に
アメリカのコネチカット州へ移住しました。当時はこのような移民が
多かったそうです。1900年代にニューヨークへ移り、カフェやボード
ビルなどで歌うようになり、1910年代にはトップ・スターとなって、
「ジャズの女王」と呼ばれるようになります。1920年代には、多数の
ヒット曲をリリースし、1930年代にはトーキー映画に出演。イギリス
でコメディ・ミュージカルや『ロイヤル・コマンド・パフォーマンス』
に出演しました。1950年代~1960年代には『エド・サリバン・ショー』
に数回出演し、そして1966年に生涯を終えることになるのです。
ビートルズがこの曲を演奏した1963年には、ソフィー・タッカーの
半生を描いた『ソフィー』というブロード・ウェイ・ミュージカルが
上演されていました。従って、この演奏の頃はちょうど「旬」だった
ということもあって、「時流に即したジョーク」として会場から受け
とめられたため、「沸いた」と推測されます。また、この時ポールは
一人の歌手のことを「グループ」と表現しましたが、それはなぜなの
でしょうか。ポールが自分たちとの比較の意味でソフィー・タッカー
という個人に対しわざと「グループ」と言うことで、笑いをとろうと
したのでしょうか。う~む、わかりません。この原因は、きっと他に
ありそうですね。
余談ですが、ソフィー・タッカーは晩年、‘Life Begins At 40 ’
‘I'm Starting All Over Again ’の題名の歌を歌いました。これは
ジョンが非業の死を遂げた頃に使った言葉です。特に後者は‘(Just
Like) Starting Over ’という曲のタイトルにつながっていると思わ
れます。
ポールのみならず、ジョンもソフィー・タッカーに対して強く意識
していたのかもしれませんね。
蛇足です。本題の‘Till There Was You’。わたしは、“LIVE AT
THE BBC ”に収録されているヴァージョンが好きです。
ポールのタメの利いたヴォーカル。ジョージの、豊かで伸びやかな
カントリー・ジェントルマンのライン。「低弦と7thの響き」は、
もう最高です。リンゴの、残響とともに引き締まったリムショットは
「ダンス・ホール・バンド」の原点のような「名パフォーマンス」だ
と思います。
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ンス』に出演した際に‘Till There Was You’を演奏しました。
‘From Me To You’‘She Loves You ’と続き「おじぎ」をした後
緊張気味のポールがMCを入れています。
次にボクたちが歌いたい曲は少しスローな曲で、『ミュージック・
マン』というミュージカルからの曲です。これはボクたちの好きな
アメリカのグループ『ソフィー・タッカー』もレコーディングして
います。
ここで観客がどっと沸き、ビートルズは即座に演奏を始めます。
なぜ「ソフィー・タッカー」という箇所で観客が沸いたのでしょう
か。気になったので少し調べてみました。
ソフィー・タッカーは、1884年にロシアで生まれた後、両親と共に
アメリカのコネチカット州へ移住しました。当時はこのような移民が
多かったそうです。1900年代にニューヨークへ移り、カフェやボード
ビルなどで歌うようになり、1910年代にはトップ・スターとなって、
「ジャズの女王」と呼ばれるようになります。1920年代には、多数の
ヒット曲をリリースし、1930年代にはトーキー映画に出演。イギリス
でコメディ・ミュージカルや『ロイヤル・コマンド・パフォーマンス』
に出演しました。1950年代~1960年代には『エド・サリバン・ショー』
に数回出演し、そして1966年に生涯を終えることになるのです。
ビートルズがこの曲を演奏した1963年には、ソフィー・タッカーの
半生を描いた『ソフィー』というブロード・ウェイ・ミュージカルが
上演されていました。従って、この演奏の頃はちょうど「旬」だった
ということもあって、「時流に即したジョーク」として会場から受け
とめられたため、「沸いた」と推測されます。また、この時ポールは
一人の歌手のことを「グループ」と表現しましたが、それはなぜなの
でしょうか。ポールが自分たちとの比較の意味でソフィー・タッカー
という個人に対しわざと「グループ」と言うことで、笑いをとろうと
したのでしょうか。う~む、わかりません。この原因は、きっと他に
ありそうですね。
余談ですが、ソフィー・タッカーは晩年、‘Life Begins At 40 ’
‘I'm Starting All Over Again ’の題名の歌を歌いました。これは
ジョンが非業の死を遂げた頃に使った言葉です。特に後者は‘(Just
Like) Starting Over ’という曲のタイトルにつながっていると思わ
れます。
ポールのみならず、ジョンもソフィー・タッカーに対して強く意識
していたのかもしれませんね。
蛇足です。本題の‘Till There Was You’。わたしは、“LIVE AT
THE BBC ”に収録されているヴァージョンが好きです。
ポールのタメの利いたヴォーカル。ジョージの、豊かで伸びやかな
カントリー・ジェントルマンのライン。「低弦と7thの響き」は、
もう最高です。リンゴの、残響とともに引き締まったリムショットは
「ダンス・ホール・バンド」の原点のような「名パフォーマンス」だ
と思います。
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