らば~そうる “IN MY LIFE”

旅、音楽、そしてスポーツのこと。過去、現在、そして未来のこと・・・「考えるブログ」。

137.理性よりも感性の時代

2006-03-15 | 61.Business
 4月に本格的に実施される「電気用品安全法」に対して、ミュージ
シャンやアーティストがアクションを起こした。「芸術文化の発展に
支障をきたす」と規制緩和の署名運動を起こしたのである。賛同者は
75,000人に達した。ものすごい数字だ。経産省は急遽「楽器」を例外
扱いにした。

 思えば、1960年代に登場したシンセサイザーの原理は、「どのよう
な複雑な音の波形も、分解すれば正弦波が描く単純な曲線になる」。
すなわち「フーリエ解析」である。この原理を具現化した「楽器」で
ミュージシャンやアーティストは次から次へと「新しい音」を創出し
た。そして「音楽」は、さらに高次元の段階へと進化した。 

 アナログ式の電子音は、最近のデジタル式には模倣できない独特な
「温かみ」がある。だから「ビンテージ中古楽器」の市場が存在する
のだ。「数学と音楽の偉大な融合」が産み出した豊かな財産・文化が
「PSEマーク」ひとつによって抹消される危機にあった。しかし、
ミュージシャンやアーティストの熱意により、その危機が回避された。
すばらしい。
 
 昨今、『国家の品格』の中で、国際的数学者が「論理の力はダメだ」
といっている。理屈はダメ、論理でいい数学は生まれてこない、数学
は論理ではない、アイデアだ、ひらめきだ、愛情だ、信念だ・・・と
主張している。
 この豊かな財産・文化は、数学の「論理・理性」という側面という
よりも、むしろその「ひらめき・感性」という側面から産み出された
ものであろう。

 このような事象をみると、世の中「理性」よりも「感性」に、特に
「意」のほうに傾いてきていると感じる。
 時流である「安全性の確保」を、法律という論理で規定することに
熱くなりすぎると、かえって危険である。

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