らば~そうる “IN MY LIFE”

旅、音楽、そしてスポーツのこと。過去、現在、そして未来のこと・・・「考えるブログ」。

777.ビートルズ・開放弦

2007-12-22 | 12.THE BEATLES
【ALBUM “BEATLES FOR SALE”】 

 ギターのテクニックのひとつに「開放弦の響きの利活用」がある。
テクニックといっては言いすぎかもしれないが、ギタリストのセンス
が如実に現れるパフォーマンスである。ビートルズが「開放弦の響き」
を最初に活かしたインパクトのある曲は何であろうか。

 Words Of Love
 
 ‘Words Of Love ’はバディ・ホリーのカヴァーである。いきなり
流れる「煌びやかなギターの音」が印象的だ。オリジナルではバディ
ホリーが最初の「E」音を6弦ギター1弦の開放弦と2弦の第5フレ
ットを同時に弾くことにより広がりのある音を創出している。ジョー
ジは12弦ギターで同じことをしているため、さらに煌びやかな響きに
なっている。

 BEATLES FOR SALE
 
 ‘Words Of Love ’は、“BEATLES FOR SALE”に収録されている。
“FOR SALE”は二大映画のサウンド・トラック盤の間に挟まれたため
ややもすると一般的に地味な評価を受けているようだ。しかし、この
アルバムは、ビートルズのギター・サウンドをじっくりと聴くことが
できる実に貴重なアルバムなのである。「開放弦の響きの利活用」は
‘Words Of Love ’の他、‘Every Little Thing’や‘Eight Days A
Week’で聴くことができる。

 ‘Every Little Thing’ではイントロ・間奏・エンディングに登場
するコード・フォームに近いリフである、「A」→「D」→「E7」
とコード進行する場面で最高音である1弦の「E」音の響きを見事に
持続させている。この曲も12弦ギターで演奏されており、3弦の音が
加わっているため、オクターヴ上の音が混じりあい面白い響きになっ
ている。

 ‘Eight Days A Week ’は圧巻だ。イントロでフェード・インする
部分のコード進行は「D」→「E7」→「G」→「D」である。この
間、ポールはベースで「D」音の3連符をダウン・ピッキングで頑張
って弾いているのだが、ジョージのギターがすごい。1弦の開放弦の
「E」音を響かせながら、2弦と3弦のハイ・フレット(つまり1弦
より高い音)で使用しているのである。ポールのベースの「D」音と
ジョージの12弦ギターの「E」音がコラボすることにより、この曲の
イントロのコード進行は、「D9」→「E7/D」→「G6/D」→
「D9」とオシャレな雰囲気に一変するのである。

 結果的に聴いてみれば何気ないアレンジなのかもしれない。しかし
素材をスタジオに持ち込み4人+1人でアイディアを練りながら曲を
作り上げていくプロセスでこのような「インパクトある効果」をもつ
アレンジを創出してしまう才能がすごいと思う。



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3 Comments

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Unknown (Unknown)
2009-02-18 16:07:20
BEATLES FOR SALE(昔は65!って言ってた笑)
好きなアルバムの一つです。
初めて自分のお小遣いで買ったLPだったので思い入れがある一枚ですね・・^^

開放弦の響きといえば、ノーリプライもそうでしょうか・・・?^^;
6弦Eの音が耳に残る印象だなぁ・・・と。。
I saw the light~ の部分の Fmaj7(かな?)が特に。。。
返信する
Unknown (Unknown)
2009-02-18 19:27:05

すいません・・1弦Eの音でした。。;;
たびたびすいませんです。。
返信する
No Reply (らば~そうる)
2009-02-19 01:38:08
to:Unknownさん

ご指摘の「E」音は‘No Reply’の
ハイライトですね!
この間のコード進行
「Am→Em→FM7→Em」で「E」音が
鳴り響いています。

あとヴァースA、2小節めのコード「G13」
もシャレています。
返信する

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