らば~そうる “IN MY LIFE”

旅、音楽、そしてスポーツのこと。過去、現在、そして未来のこと・・・「考えるブログ」。

792.DO YOU WANT TO KNOW A SECRET

2008-01-06 | 12.THE BEATLES
【SINGLE “DO YOU WANT TO KNOW A SECRET c/w THANK YOU GIRL”】

 ‘Do You Want To Know A Secret’。ジョンの作品ですが、ジョー
ジにヴォーカルを譲っています。この曲は、たったの1日で全14曲の
うち10曲がレコーディングされた、UK盤“PLEASE PLSEASE ME ”に
収録されていますが、初めて聴いたのは、“THE EARLY BEATLES ”に
収録されたものでした。それは『赤盤』を聴いた直後、1973年当時の
US編集盤のLPですが、ビートルズ・ファンの友人が「各論の第一
弾」として貸してくれたのです。“THE EARLY BEATLES ”では、いち
ばん最後に収録されていたこともあってか、とても印象に残っている
のです。

 ジョージの語り口調のイントロでこの曲は始まります。ヴォーカル
を支えるジョンのJ-160EとジョージのDuo Jet 。Duo Jet は、ジョン
のJ-160Eと混ざり合い、きわめて違う側面の音を聴くことができます。
このDuo Jet は、あの‘I Saw Her Standing There’と同じギターだ
と思えないほどアコースティックな音に聞こえます。

 イントロではEマイナー、ヴァースAではC#マイナー交じりのE
メジャー、そして、ヴァースBではAメジャーに転調します。ビート
ルズの曲にキーやメジャーかマイナーかを定義するのはナンセンスと
思いますが、このように自然に転調し曲を展開させてしまうところが
彼らのスゴいところです。同じような曲がまったくありません。

 ヴァースBでは、リンゴのスティック音にエコー処理を施したもの
をオーヴァー・ダブしています。実に効果的な装飾音です。ポールの
ベースも、初期にしては1小節あたりの音が多く、「歌うベース」に
なっているのではないでしょうか。ポールのベース・プレーが開花し
たのは“RUBBER SOUL ”あたりとよく言われています。しかし、この
曲のヴァースBの2小節めのラインを確認してみてください。歌詞で
いうと“I've known a secret for a week or two ”の後半の“week
or two”の部分です。コード進行が、「A」「F#m」→「C#m」
「Bm」と展開する部分です。2小節めのベース・ラインは、「C#」
→「D」→「B」と動きます。この動きの中で、ポールは「D」音を
採用します。これが彼の非凡なセンスだと思うのです。凡人であれば
「C#」→「C#」→「B」と展開してしまうのではないでしょうか。
ポールのベーシストとしてのセンスは、既にデビュー・アルバムから
そのパフォーマンスに表れていたというのが、わたしの見解です。

 さて、曲は次第にaccelerando 気味(実に心地よいグルーヴ感)に
なり、盛り上がったところでエンディングを迎えます。それにしても
ジョージのヴォーカルの艶っぽさ。これはいったいどこからくるので
しょうか。精密な音程・確かなリズム取り・表現力豊かな歌いまわし
そして、奥行きのあるファルセット・・・。‘Chains’や‘Devil In
Her Heart ’を再度聴いてみてください。彼のヴォーカルはジョンや
ポールのそれとはまた異なった個性が溢れんばかりに出ていますね。
余談ですが、‘Do You Want To Know A Secret’では「リヴァプール
訛り」を味わうことができます。

 それでは、最後に“Vee-Jay ”のシングルを・・・。

SINGLE ‘Do You Want To Know A Secret? c/w Thank You Girl’

 この濃さは、いったい・・・?




↑If this article is quite good, will you please click?
 

Comments (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 791.朱蒙 | TOP | 793.夜明け前 »
最新の画像もっと見る

4 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (レノン&マッカートニー)
2008-01-06 20:39:16
ジョージがヴォーカルだと、何故か手数の多いベースを弾くんですよね。
この曲も独特な弾き方をしていますよね。
やはり本当はギターを弾きたかったんではないかと思います。それがあの雄弁なるベースを生み出したとも思えるのですが。
いずれにしても名ベーシストぶりは初期の頃からあったということですね。
返信する
トゥーダルー (タケチャン)
2008-01-06 21:11:07
この曲は、アルバム”Please Please Me"の中でも好きな曲でした。
いつか僕もブログで取り上げようと思ってます。

ご指摘のスティックを鳴らすところとか
トゥーダルーのコーラスとか
ギターの鳴らし方とか
こういう発想の豊かさで高い効果をあげる。
これがまさにビートルズですよね。

ヘフナーのマイルドな音がすごく似合う歌でもある
と思ってましたが、ベースでもオリジナリティが発揮
されていたのですね。
返信する
ポール (らば~そうる)
2008-01-07 00:21:25
to:レンマックorマクレーンさん
(レノン&マッカートニーさん)

いきなり失礼しました♪
二人のクレジットをこのように表現する案も
あったそうです。

ポールといえば
昨年秋、冠状動脈を拡張する手術を極秘に受けた
とのことですね。
その後の状況が心配です。大丈夫でしょうか。
返信する
コーラス (らば~そうる)
2008-01-07 00:24:34
to:タケチャンさん

このコーラス!
いいですね♪
もちろんジョンとポールの・・・だと思うのですが
一説には、ジョンとジョージがコーラス(オーヴァー・ダブ)で
ポールはベースに専念というウワサもあるそうです。
返信する

post a comment

Recent Entries | 12.THE BEATLES