らば~そうる “IN MY LIFE”

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858.ロジスティクス(ロジスティクス戦略と「JIT」)

2008-03-12 | 61.Business
 前回の最後に「JIT」について時間お話すると予告したのだが、
その前に、「JIT」の位置付けを示すために、ロジスティクス戦略
全体を俯瞰することにしたい。

 ロジスティクス戦略立案は、概ね以下のような流れで進める。

 1.戦略検証
 2.業績分析
 3.機会評価
 4.計画策定

 戦略検証では、企業における事業戦略と組織機能の戦略を検証する。
次に業績分析において現状分析を実施し、戦略との整合性を確認する。
たいがい、この時点で戦略とのギャップに事業体は気づくことになる。
そこでその要因を外部環境と内部環境に分類し分析する。

 今回のテーマはロジスティクスである。従って、続く機会評価では
ロジスティクス戦略を策定する。そして施策をオプション化した上で
実行判断のための判断指標により評価をすることになる。選定された
施策に基づき、計画策定にて財務評価を盛り込みながらアクション・
プランを策定する。

 ロジスティクス戦略策定のテーマは、「物流拠点の統廃合」「在庫
最適化・再配置」「輸配送ネットワークの見直し」「物流管理機能の
強化」そして、「ロジスティクスを支える情報システム再構築」等、
多岐に渡る。しかし各テーマに共通して言えることは、戦略の起点が
「顧客に対するロジスティクス・サービス」だということである。

 ロジスティクス・サービスとは何であろうか。「速い、うまい、な
んとか」ではないが、ロジスティクス・サービスには「迅速性」「信
頼性」そして、「高付加価値」の要素が必要である。「迅速性」とは
例えば、受注から納品までのリードタイムや配送頻度といったサービ
ス(メニュー)である。また「信頼性」のサービス(メニュー)とは
「正しい注文商品・数量」「正しい届け先」である。そして「高付加
価値」とは、流通加工や配送に関するきめ細かなサービス(メニュー)
のことである。

 ここで、某中間流通業の商品別のサービスレベルを定義を考察して
みることにしよう。

 出荷数量(物量)と利益貢献度で、商品を4象限に分割してみる。
以下に分類することができる。

 1.出荷数量多×利益貢献度低
 2.出荷数量多×利益貢献度高
 3.出荷数量低×利益貢献度低
 4.出荷数量低×利益貢献度高

 まず「1」の象限の商品群は「コスト削減」を追求するのが得策で
ある。商品調達コストやロジスティクス・コストを見直して、利益率
を改善する余地があるのか検討する。

 次に「2」の象限の商品群は「高いアベイラビリティの提供」が必
要となる。従って、顧客に近い地域に物流拠点を配置することにより
最高のサービスを顧客に提供する施策を検討する。

 いっぽう「3」の象限の商品群は「見直し」である。商品のライフ
サイクルにおけるポジションや市場成長率、あるいは自社のシェア等
を評価し、場合によっては「廃却」を検討する。

 最後に「4」の象限の商品群である。ここで、「JIT」が重要な
施策として登場する。より正確言えば「JITデリバリー」である。
全体的な在庫投資を減少させるために。ロジスティクス・ネットワー
ク上の後方に商品を保管し、顧客より要求があった時点で「即納」す
ることを検討する。「即納」するためにはある程度「配送コスト」の
上昇という影響が出るのであるが、利益貢献度が高いため、コストを
吸収することが可能である。

 もう何が言いたいのか、おわかりのことと思う。「JIT」とは、
ロジスティクス戦略立案の原点である「ロジスティクス・サービス」
における、ひとつのサービスレベルなのである。



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