2854．もうビートルズのふりをしなくていいんだ

　今から47年前の今日、ビートルズはコンサート活動に終止符を打ち
ました。

　ところは、サンフランシスコのキャンドル・ステッィク・パーク。
４人は予定していたソング・リストの10曲を終え、いよいよトリの曲
を迎えます。1966年のツアーのラスト・ソングは‘I'm Down’でした。
しかし、この日だけは違いました。

　LONG TALL SALLY

　この曲をラスト・ソングに選定したのは予定通りの行動だったので
しょうか。それとも、ポールが咄嗟に‘I'm gonna tell Aunt Mary’
とシャウトしたのにメンバーが呼応したのでしょうか。

　ともかくも「のっぽのサリー」の演奏が始まりました。

　このコンサートの模様をトニー・バーロウ氏が片道30分のカセット
テープ・レコーダーで録音していたことは有名で、今回の音源のオリ
ジナルもそれです。デビュー当時からビートルズのコンサートは30分
ほどでアンコールなしで終了しましたが、場合によっては少し過ぎる
こともありました。「今日」は「これで最後だ」という思いが強かっ
たのでしょうか。いくぶんオシテイタようです。従って、「のっぽの
サリー」の第１回目の間奏に入る前で、音は突然途切れています。

　なんとも、示唆的な終わり方ではありませんか。

　「突然、音源が途切れる」…。まだまだ続けられるのに、自らその
可能性に見切りをつけたとも、喧騒にウンザリしそこからやっと逃れ
られるという４人の心を象徴しているとも受け取れます。まあ、あと
からでは、何とでも言えますよね。

　コンサート終了後、４人はサンフランシスコからソサンジェルスへ
飛行機で移動します。機上でジョージはこのように語りました。

　It's all over.
　I can stop pretending to be a Beatle now.

　その後のビートルズの活動を思うに、含蓄のあるコメントだと考え
させられるものがあります。






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