3370．“RUBBER SOUL ”の時代

　今、「変革」「革新」というワードが流行している…。

　今から50年前のミュージック・シーンでは、ビートルズが活躍して
いた。1965年の夏に“HELP !”をリリースした頃は「４人はアイドル」
であった。しかし、その年の12月にリリースされた“RUBBER SOUL ”。
状況は一変した。

　‘Yesterday ’がその「前ぶれ」であったように、ビートルズは、
自分たちが向おうとしている方向に気づいていた。そういった意味で
“RUBBER SOUL ”が好きだ。なんといっても、あのジャケット（画像
掲載は自粛）がいいじゃないか。“WITH THE BEATLES”もなかなかの
デキだが、“RUBBER SOUL ”のジャケットはもはやアートだ。そこに
アイドルの面影は微塵もない。唯一カメラ目線のジョンが「オレは何
でも知っているぜ」と言わんばかりの大胆不敵な表情がよい。背景に
ある濃緑色の葉っぱもなんだか意味深だ。４人の顔は、ゴムのように
のっぺりと歪んでいる…。

　1965年の晩秋から1966年の春にかけて、ビートルズの中では確かに
「音の革新」が進行していた。「サイケデリック」というワードだけ
でまとめたくはないが、質の高いサウンドと革新的な楽曲が多く創出
されたことは事実ではないだろうか。そして、そうだからこそ、今も
なお音楽を好む人たちの間に新鮮なオドロキを与え続け、大きな感激
に至っているのだと思う。

　彼らは突然コンサート活動を中止した。スタジオを質をコンサート
で再現するのが至難の業となっていた。それを代表するかの曲‘If I
Needed Someone’をどうぞ。（1966.08.29 ＠Candlestick Park ）






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