1963年 2月、ビートルズはヘレン・シャピロの前座として、イギリ
スの国内ツアーを務めました。‘Misery’はその直前にヘレンに提供
するために作られました。しかし、彼女の営業サイドから「歌詞が悲
惨すぎる」との理由で拒否されてしまいました。さて、そこでビート
ルズが自ら同年の 2月11日にレコーディングです。初期の曲としては
かなり難航したようです。
MARTIN :次の曲、え~、リストにあった‘Misery’って曲をやっ
てみようか。
John :ああ、それね。
Paul :シャピロったら、シカトだもんな。
John :ああ、あいつね。
George :あんまりよい感じのタイトルじゃないよね。
John :まあな。
てな感じでレコーディングが開始されました。TAKE1 ではリリース
ヴァージョンでマーティン先生がピアノで演奏したフレーズをジョー
ジがギターで弾いていましたが、やや突っ込みがちで出来がよくあり
ません。早くもポールの「指導」が入ります。
Paul :ジョージ、速いんだよ。もうちょっとさ、淡々と音を短
く切って・・・。だろ。ほら、弾いてみな。
SMITH :テイク2。
George :わかってんだけどさ・・・。
気のせいか、ジョージのギターの音が浮いているように聴こえます。
さすがはマーティン先生。すかさず状況を看破しアドバイス送ります。
MARTIN :ジョージ、ギターを変えてみないかい?
George :いいや、このままで。
MARTIN :何か試してみてくれないかな。
George :トーンを変えてみるよ。
John :いいね。
MARTIN :いろいろとやってもらえるかな。ところで、ジョージ、
それって小さな「レスポール」みたいだね。
(※筆者注:ジョージは“Duo Jet ”を弾いていた。)
John :パパブリ・・・(意味なしフレーズ)。
SMITH :テイク3!
すると、ヴァースAの2小節めのコード「F」をジョンが間違って
「Am」あたりのコードを弾いてしまい、あえなく中断。
SMITH :テイク4!
Paul :ウ~(メロディがついた「うめき」。さすが!)。
John :やるぜ。
今度はジョンが歌詞を間違えます。
John :くそ~、歌詞が覚えらんねえ。
テイク5もミスで中断です。歌詞の人称違いとコードがCからFに
展開するあたりで同じミスが目立ち、その箇所にさしかかると演奏が
縮こまって不安定になっています。泥沼状態なのでしょうか。
SMITH :テイク6!
George :もう1回。
Paul :もう彼女には会いたくない・・・(歌詞を確認する)。
テイク6では、ジョージのギター・フレーズの箇所で、リンゴが激
しいフィル・インを導入します。ベースのルート音をごまかしながら
硬い演奏でしたが、なんとか完奏。少しずつですが、よくなってきた
ようです。
結局、最終ヴァージョンでは、リンゴのフィル・インはボツになり
リズム・マシンのようなリズムキープに徹します。また、ジョージの
フレーズには、マーティン先生のピアノがダビングされました。
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スの国内ツアーを務めました。‘Misery’はその直前にヘレンに提供
するために作られました。しかし、彼女の営業サイドから「歌詞が悲
惨すぎる」との理由で拒否されてしまいました。さて、そこでビート
ルズが自ら同年の 2月11日にレコーディングです。初期の曲としては
かなり難航したようです。
MARTIN :次の曲、え~、リストにあった‘Misery’って曲をやっ
てみようか。
John :ああ、それね。
Paul :シャピロったら、シカトだもんな。
John :ああ、あいつね。
George :あんまりよい感じのタイトルじゃないよね。
John :まあな。
てな感じでレコーディングが開始されました。TAKE1 ではリリース
ヴァージョンでマーティン先生がピアノで演奏したフレーズをジョー
ジがギターで弾いていましたが、やや突っ込みがちで出来がよくあり
ません。早くもポールの「指導」が入ります。
Paul :ジョージ、速いんだよ。もうちょっとさ、淡々と音を短
く切って・・・。だろ。ほら、弾いてみな。
SMITH :テイク2。
George :わかってんだけどさ・・・。
気のせいか、ジョージのギターの音が浮いているように聴こえます。
さすがはマーティン先生。すかさず状況を看破しアドバイス送ります。
MARTIN :ジョージ、ギターを変えてみないかい?
George :いいや、このままで。
MARTIN :何か試してみてくれないかな。
George :トーンを変えてみるよ。
John :いいね。
MARTIN :いろいろとやってもらえるかな。ところで、ジョージ、
それって小さな「レスポール」みたいだね。
(※筆者注:ジョージは“Duo Jet ”を弾いていた。)
John :パパブリ・・・(意味なしフレーズ)。
SMITH :テイク3!
すると、ヴァースAの2小節めのコード「F」をジョンが間違って
「Am」あたりのコードを弾いてしまい、あえなく中断。
SMITH :テイク4!
Paul :ウ~(メロディがついた「うめき」。さすが!)。
John :やるぜ。
今度はジョンが歌詞を間違えます。
John :くそ~、歌詞が覚えらんねえ。
テイク5もミスで中断です。歌詞の人称違いとコードがCからFに
展開するあたりで同じミスが目立ち、その箇所にさしかかると演奏が
縮こまって不安定になっています。泥沼状態なのでしょうか。
SMITH :テイク6!
George :もう1回。
Paul :もう彼女には会いたくない・・・(歌詞を確認する)。
テイク6では、ジョージのギター・フレーズの箇所で、リンゴが激
しいフィル・インを導入します。ベースのルート音をごまかしながら
硬い演奏でしたが、なんとか完奏。少しずつですが、よくなってきた
ようです。
結局、最終ヴァージョンでは、リンゴのフィル・インはボツになり
リズム・マシンのようなリズムキープに徹します。また、ジョージの
フレーズには、マーティン先生のピアノがダビングされました。
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to:らば~そうるさん
ところでこのブート音源ってMONOでしたっけ?
わたしの保有しているCDの‘Misery’は
‘MONO’です。
同じCDに‘From Me To You’やALBUM“PLEASE PLEASE ME”に
収録された音源がありますが
‘STEREO’のものもあります。
久しぶりに聞いたらMONOだったものでお聞きしました。
この頃のブートって不思議ですね。MONOのものもあればSTEREOのものも。。。
今聞いている'Do You Want To Know A Secret'もMONOでした。'There's A Place'はSTEREOなのに。
あらためて聴き直しました。
ポールが歌詞を間違えたのに
「誰かが速すぎたからだろ」と言い訳している
‘I Saw Her Standing There’のTAKE6は
STEREOで聴けますね。
この曲はギターが3本聞こえますが
オーバーダブでしょうか。
>オーバーダブでしょうか。
多分そうだと思いますが、本ではTAKE1に手拍子を加えて最終TAKEを作った以外にオーバーダブの記述は無かったですね。レコーディング記録に記載されていないオーバーダブなのでしょうか?
(1)ボールのベースと同じような低音弦を中心とするリフ
(2)リフと絡むようなリズムカット
(「ンッ チャチャチャッ」っていうような感じ)
の音が間奏でも聞こえるのですが同時に
(3)デュオ・ジェットのバキバキしたギターソロ
が鳴り響いています。
ライヴ音源を詳細に検証すればわかるかと思いますので
一度トライしてみます。