らば~そうる “IN MY LIFE”

旅、音楽、そしてスポーツのこと。過去、現在、そして未来のこと・・・「考えるブログ」。

1211.MISERY

2009-02-28 | 12.THE BEATLES
 1963年 2月、ビートルズはヘレン・シャピロの前座として、イギリ
スの国内ツアーを務めました。‘Misery’はその直前にヘレンに提供
するために作られました。しかし、彼女の営業サイドから「歌詞が悲
惨すぎる」との理由で拒否されてしまいました。さて、そこでビート
ルズが自ら同年の 2月11日にレコーディングです。初期の曲としては
かなり難航したようです。

 MARTIN :次の曲、え~、リストにあった‘Misery’って曲をやっ
      てみようか。
 John  :ああ、それね。
 Paul  :シャピロったら、シカトだもんな。
 John  :ああ、あいつね。
 George :あんまりよい感じのタイトルじゃないよね。
 John  :まあな。

 てな感じでレコーディングが開始されました。TAKE1 ではリリース
ヴァージョンでマーティン先生がピアノで演奏したフレーズをジョー
ジがギターで弾いていましたが、やや突っ込みがちで出来がよくあり
ません。早くもポールの「指導」が入ります。

 Paul  :ジョージ、速いんだよ。もうちょっとさ、淡々と音を短
      く切って・・・。だろ。ほら、弾いてみな。
 SMITH  :テイク2。
 George :わかってんだけどさ・・・。

 気のせいか、ジョージのギターの音が浮いているように聴こえます。
さすがはマーティン先生。すかさず状況を看破しアドバイス送ります。

 MARTIN :ジョージ、ギターを変えてみないかい? 
 George :いいや、このままで。
 MARTIN :何か試してみてくれないかな。
 George :トーンを変えてみるよ。
 John  :いいね。
 MARTIN :いろいろとやってもらえるかな。ところで、ジョージ、
      それって小さな「レスポール」みたいだね。
     (※筆者注:ジョージは“Duo Jet ”を弾いていた。)
 John  :パパブリ・・・(意味なしフレーズ)。
 SMITH  :テイク3!

 すると、ヴァースAの2小節めのコード「F」をジョンが間違って
「Am」あたりのコードを弾いてしまい、あえなく中断。

 SMITH  :テイク4! 
 Paul  :ウ~(メロディがついた「うめき」。さすが!)。
 John  :やるぜ。

 今度はジョンが歌詞を間違えます。

 John  :くそ~、歌詞が覚えらんねえ。

 テイク5もミスで中断です。歌詞の人称違いとコードがCからFに
展開するあたりで同じミスが目立ち、その箇所にさしかかると演奏が
縮こまって不安定になっています。泥沼状態なのでしょうか。

 SMITH  :テイク6!
 George :もう1回。
 Paul  :もう彼女には会いたくない・・・(歌詞を確認する)。

 テイク6では、ジョージのギター・フレーズの箇所で、リンゴが激
しいフィル・インを導入します。ベースのルート音をごまかしながら
硬い演奏でしたが、なんとか完奏。少しずつですが、よくなってきた
ようです。

 結局、最終ヴァージョンでは、リンゴのフィル・インはボツになり
リズム・マシンのようなリズムキープに徹します。また、ジョージの
フレーズには、マーティン先生のピアノがダビングされました。



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6 Comments

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MISERY (mino)
2009-03-02 01:12:51
実は初期で好きな曲のひとつです。

to:らば~そうるさん

ところでこのブート音源ってMONOでしたっけ?
返信する
音源あれこれ (らば~そうる)
2009-03-04 22:59:20
to:minoさん

わたしの保有しているCDの‘Misery’は
‘MONO’です。
同じCDに‘From Me To You’やALBUM“PLEASE PLEASE ME”に
収録された音源がありますが
‘STEREO’のものもあります。
返信する
ありがとうございました (mino)
2009-03-05 00:03:55
to:らば~そうるさん

久しぶりに聞いたらMONOだったものでお聞きしました。

この頃のブートって不思議ですね。MONOのものもあればSTEREOのものも。。。
今聞いている'Do You Want To Know A Secret'もMONOでした。'There's A Place'はSTEREOなのに。


返信する
SEVENTEEN (らば~そうる)
2009-03-06 22:36:19
to:minoさん

あらためて聴き直しました。

ポールが歌詞を間違えたのに
「誰かが速すぎたからだろ」と言い訳している
‘I Saw Her Standing There’のTAKE6は
STEREOで聴けますね。

この曲はギターが3本聞こえますが
オーバーダブでしょうか。
返信する
Unknown (mino)
2009-03-08 00:48:55
to:らば~そうるさん

>オーバーダブでしょうか。
多分そうだと思いますが、本ではTAKE1に手拍子を加えて最終TAKEを作った以外にオーバーダブの記述は無かったですね。レコーディング記録に記載されていないオーバーダブなのでしょうか?

返信する
SEVENTEENのギター (らば~そうる)
2009-03-08 12:55:32
to:minoさん

(1)ボールのベースと同じような低音弦を中心とするリフ
(2)リフと絡むようなリズムカット
   (「ンッ チャチャチャッ」っていうような感じ)

の音が間奏でも聞こえるのですが同時に
(3)デュオ・ジェットのバキバキしたギターソロ

が鳴り響いています。
ライヴ音源を詳細に検証すればわかるかと思いますので
一度トライしてみます。
返信する

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