らば~そうる “IN MY LIFE”

旅、音楽、そしてスポーツのこと。過去、現在、そして未来のこと・・・「考えるブログ」。

1164.ビートルズ・この曲のキーは?

2009-01-12 | 12.THE BEATLES
 「ビートルズの各曲のキーは?」というテーマで、論旨を展開して
いる意欲作をよく見かけます。中には統計的手法により、「使用調」
(例えば「Am」「E♭」)をグラフ化し、ジョンが主として作曲を
担当した曲は「E」が多いとか、ポールのそれは「C」と「G」が多
いという結論を導いたものもあります。

 それはそれでよいのですが、例えば‘Penny Lane’のように「B」
と「A」を行ったり来たり転調しているような曲を、果たして何調に
特定したのでしょうか。そのあたりが不明です。

 そもそも、ビートルズの曲(‘Revolution 9’は対象外でしょう)
に対し「この曲は何調か」と特定すること自体、ある意味困難な作業
だと思うのです。もちろん、曲の基調となるキーをある程度特定する
ことは可能でしょうけれども。曲によっては「Ⅰ⇔Ⅰm」と展開した
り(例:‘Norwegian Wood’‘Fixing A Hole ’)、「Ⅰ⇔VⅠm」
と展開したり(例:‘Girl’)、その他実に多様性に富んでいます。

 この多様性に富んだ展開は、時として4小節単位で巧妙に繰り広げ
られる場合がありますが、これこそビートルズの数ある魅力のうちの
ひとつだと思うのです。おそらくは、無意識の中でクラシカルな要素
(このような多様性に富んだ展開)が取り入れられたと推察します。

 比較的、構成がシンプルと言われているデビューアルバム“PLEASE
PLEASE ME ”のオリジナル7曲をみてみましょう。

01.I SAW HER STANDING THERE  「E」
02.MISERY           「C」
03.ASK ME WHY         「E」
04.LOVE ME DO         「G」
05.P.S.I LOVE YOU       「D」
06.DO YOU WANT TO KNOW A SECRET「E」
  ※「Em⇔E 」展開あり
07.THERE'S A PLACE       「E」
  ※「E ⇔C#m 」展開あり 

 ‘Do You Want To Know A Secret’の「イントロからヴァースA」
の展開、‘There's A Place ’の「ヴァースB」の展開は、デビュー
したばかりのグループの創作とは思えない「オリジナリティ・斬新さ」
があります。当時のファンは、そのあたりを感じ取り、彼らの楽曲に
引き込まれていったのではないでしょうか。

 それ以外の曲も「単純なスリーコード展開」ではなく、「センスに
よってそうなった」曲ばかりです。多少のインスピレーションはある
にせよ、ワン・パターンな展開ではない曲を数多くこの世に創出した
ことは事実ですね。



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