らば~そうる “IN MY LIFE”

旅、音楽、そしてスポーツのこと。過去、現在、そして未来のこと・・・「考えるブログ」。

1023.ビートルズ・日本編集盤(VOL.2)

2008-08-24 | 12.THE BEATLES
 #1022の記事で、ビートルズのアルバム『ステレオ! これが
ビートルズVOL.1 』『ステレオ! これがビートルズVOL.2 』のお話
をさせていただきました。『ステレオ!』シリーズは、ビートルズの
「来日記念盤」として発売されたのですが、当時のファンは「これが
なぜ来日記念盤なの?」という感じで、その意味を理解できなかった
方が多かったようです。なにせ、収録曲は既に国内でリリースされた
アルバムにも収録されているし、目新たしさを感じられなかったから
というのが、その理由のようです。

 それでは、『ステレオ!』シリーズはいったい何を「売り」にして
いたのでしょうか。当時の東芝のビートルズ担当ディレクターの話に
よれば、文字通り「ステレオであること」のようです。現在ではオー
ディオ・システムが発達し、「ステレオ」が当然のことのようになっ
ていますが、1960年代の頃レコードを再生したり聴いたりする手段は
卓上タイプの「レコード・プレーヤー」だったり、「ラジオ」でした。
従って、ミキシングの主流は「モノラル」だったのです。先の記事で
ご紹介した『ビートルズ!』や『ビートルズ №2”』も、モノラル
録音です。

 『ステレオ!』シリーズとUKのパーロフォン原盤は曲順が異なり
ます。この相違についてお話を始めると長くなりますので、ここでは
アルバムの「トリ」の曲だけ取り上げてみたいと思います。偶然なの
かもしれませんが、“PLEASE PLEASE ME”や“WITH THE BEATLES”と
『VOL.1』『VOL.2』の間では、一種の傾向を確認することができます。
前者の「トリ」がTwist And Shout ’‘Money ’であるのに対して、
後者の「トリ」は‘‘P.S. I Love You ’‘You Really Got A Hold
On Me ’です。パーロフォン原盤では、「ジョンのワイルドな歌声」
で締め、日本盤では「しんみり系」で締めているところに各々のディ
レクターの「意志」が感じられ、とても面白いなと思います。

 しかし、「アルバム1枚・14曲」の曲順を再構成することが可能
だったのは、このあたりまでですね。すなわち「初期の音源」です。
ビートルズが成長し、アルバムそのものがコンセプト的な要素を持ち
合わせるように進化すると、もはや「シャッフル」することは、製作
者の意図を無視する「好ましくない行為」になってしまったのです。
例えば“SGT. PEPPER'S ~”をCDの「シャッフル機能」を利用して
聴いてみてください。もちろん、各々の曲はとても素晴らしいのすが
全体として受ける印象は、いかがでしょうか。「何かが足りない」と
感じられないでしょうか。



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4 Comments

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シングル曲 (タケチャン)
2008-08-26 00:10:50
初期のころ、UK版に収録されていなかったシングル曲を入れておくことが日本編集版とアメリカ編集版の売りだったのでしょうか。

それでシャッフル・・・
今からみるとなんか無茶苦茶やってる気もしますね。
おかげでこちらは、曲がダブらないように最小限のアルバム購入枚数で効率よく買うには、なんて検討したりして。これも楽しかったけど。

今はパストマスターズがあるから。
返信する
長くなってすみません (ラミー)
2008-08-26 11:24:01
私はiPod Shuffleという、まさにシャッフルの使用が前提となった携帯プレーヤーを使っているのですが、「Sgt. Pepper's~」や「Abbey Road」は編集して、1曲の塊として再生できるようにしてますね。やっぱりまとめて聴かないと気分が出ないですよね!将来デジタル配信が始まったとしても、1曲ずつのバラ売りとは別に、通して聴けるバージョンも絶対に用意しておくべきだと思います。
難点は再生時間が長くなるので聴き終わる前に目的地へ到着して終了となる事ですが…おかげで再生数も伸びない。逆にこうした『繋がりのない1曲』としての使い方でよく聴くのはやっぱりシングル曲になりますね、あと初期のアルバムだけでなく「White Album」もシャッフルで聴いても大きな問題にならない気がします…今再生回数を見たらTOP3が「Rain」「A Hard Day's Night」「Dear Prudence」でした。

色々読んだり調べたりしていると、現代では「Sgt. Pepper's~」が発売当時ほど評価されていないという話をよく聞き、色々な理由が挙げられていたのですが、個人的には「CD以降のシャッフル機能」も結構大きい要因なんじゃないかなあと勝手に考えています。
逆に「Rubber Soul」「Revolver」が後期の作品群より低く見られていたのは、アメリカ盤で11曲にカットされてた影響もあるらしいですね…オリジナル盤から曲を削るなんて、私にとっては想像すらできない話に思えてしまいます。でも、それだけに皆様の話が興味深くて、毎回楽しみにしてます。
返信する
壮大な販売戦略!? (らば~そうる)
2008-08-27 01:58:59
to:タケチャンさん

「ビギナー!?」の頃は単純に「曲」だけを追い求めていました。
しかし、知識が増えてくるに従い
日本編集盤やアメリカ編集盤のLP
そして、シングルが単体の「1曲」以上のものであることが
わかってきました。
1960年代にまさかこのような策略があったわけではないとは思いますが
恐るべし・・・ですね。
返信する
楽曲の単位と改変 (らば~そうる)
2008-08-27 02:42:56
to:ラミーさん

長文大歓迎です♪
もっとも、私の本文のほうがとりとめもなく長く書いておりますので・・・。

iPod Shuffleのお話をお聞きし思い出したのですが
昔むかし、ビートルズの曲をカセット・テープに編集して
個人的に楽しむために「オムニバス盤」を制作していました。
“ROCK'N'ROLL”とか“SWEET-SOUNDING”なんてタイトル付けちゃったりなんかして♪
制作した時、聴き出して最初のうちは自画自賛だったのですが
繰り返して聴いているうちになんだか飽きてくるのですね。これが。
唯一飽きが来ないのが、1964年や1966年のツアーの曲順に正規レコードから
編集したテープです。
これ、もう擦り切れているのですが
テープからCDに移行しようと目論んでいます。

US盤については「ブッチャー」と称されているものもありますね。
UKで発売されていない新曲と
UK盤のアルバムには収録されていないシングルを「売り」とし
さらに、UK盤よりも収録曲を2~3曲少なくしたというのが
1966年までのUS盤の特徴ですね。

しかし、ミックスがUK盤と異なる部分があるので
このことに価値を認めるファンにとっては
まさに「買い」なのです。
わたしがそのひとり♪

ささやかなブログですが
いろいろと意見・私見・事実をコメントしてくださる方がいらっしゃるおかげで
わたしもとても勉強させていただいております。
本当に感謝です♪

今後ともよろしくお願いいたしますね。
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