【JOHN LENNON on MELLOTRON MARK II】
1966年の秋から冬にかけて、ビートルズのミュージック・シーンが
さらに大きく変化した。コンサート活動の休止後、思い思いの時間を
過ごした4人がアビーロードに再集合した際、最初にレコーディング
したのが‘Strawberry Fields Forever ’である。
1966年11月24日に‘Strawberry Fields ’のベーシック・トラック
をギター、ベース、そしてドラムスにてレコーディングした。その後
このサウンドは「万華鏡」のように変化していく。その代表的な音が
「メロトロン」である。イントロのあの有名なフレーズを弾いたのは
ポールであったが、その革新的な楽器をいち早く手に入れていたのは
ジョンである。
1965年 8月 1日のブラックプールでのテレビ出演後、アメリカ公演
に旅立つ前にビートルズはポートランド・プレイスのIBCスタジオ
でシークレットなレコーディングを行っているが、その休憩時間中に
ジョンは「メロトロン」を試していたのだ。その音を彼は気に入り、
“MELLOTRON MARK II ”が 8月16日に配達されたという。
「メロトロン」は簡単にいえば「70台のテープ・レコーダーを一つ
の箱に収めたような楽器」であり、弦楽器や管楽器のような音階楽器
や、リズム或いはメロディそのものがプリセットされた(予めレコー
ディングされた)テープが、鍵盤を押すことによって動作するメカニ
ズムになっていた。現在のサンプラーのようなものである。
ジョンが手に入れた“MELLOTRON MARK II ”の定価は 1,000ポンド。
当時の約 2,800ドルで現在の貨幣価値に換算すると、11,500ポンドで
約16,200ドルである。
「メロトロン」は鍵盤が左右2組あり、右側がメロディを弾くため
のもの、左側がリズムや伴奏を弾くためのものである。‘Strawberry
Fields’でポールが弾いたのは、いや、正確に言えばリリースされた
音はフルートのような音であるが、これは「ステーション1、トラッ
クAの組合せにより選択された音」なのである。参考までにポールは
最初のテイクで「ステーション2、トラックBの組合せ」を選択して
いる。この組合せによって出力される音色は「ブラス・セッティング」
であり、トランペット、トロンボーン、そしてサキソフォンの音色で
ある。このブラスの音は、“ANTHOLOGY 2 ”の‘Strawberry Fields
Forever TAKE 1’で聴くことができる。
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