【“I am the EGG MAN.”】
‘I Am The Walrus ’は1967年の暮れにシングルのB面として発表
された。この頃のビートルズはコンサート活動をいっさい止め、スタ
ジオを主たる活動の場としていた。
‘I Am The Walrus ’の特徴は、「抽象的でかつインパクトのある
言葉」や、いささか狂気じみた「言葉遊び」がいたるところに散りば
められている点である。しかし、もっとも衝撃的なのは、あの独特な
コード進行である。皆様は、この曲を初めて聴かれたとき、なんとも
不思議な気分にならなかったであろうか。不思議な気分の原因の一つ
は、この曲が全てメジャー・コードによって展開(例えばヴァースA
冒頭は「A」→「G」→「F」→「G」→「A」と展開)されている
点にあると思う。その頃、この曲の作者であるジョンに「発狂説」が
出たというが、「狂人でない狂人」だからこそ、この曲の独特な世界
が創出されたのではないだろうか。
その「狂気」を決定付けるコード進行、というよりも音階の進行が
エンディング部分にある。興味をもたれた方は、ぜひ音源で確認して
みるのも一考であろう。
【「狂気」を増幅させる「2つの音階」の進行】
■音階1(ストリングスのアッパーの音階:「上昇」)
Var. 1・・・2・・・3・・・4・・・5・・・6・・・7・・・
音 AAAABBBBCCCCDDDDEEEEF#F#F#F#GGGG
(※1のAに戻る)
■音階2(ストリングスのロワーの音階:「下降」)
Var. 1・・・2・・・3・・・4・・・5・・・6・・・7・・・
音 AAAAGGGGFFFFEEEEDDDDCCCCBBBB
(※1のAに戻る)
いかがであろうか。この宇宙的な無限進行!
「7小節」という不安定な単位でのリピート&フェード・アウトが
この曲の「ナンセンスなイメージ」を決定づける「ダメ押し」になっ
ているのだ。
※興味のある方は、“ANTHOLOGY 3 ”の‘What's The New Mary Jane’
をお聴きになってみてください。途中ボーカルが消え、ピアノの音
のみになった部分で‘I Am The Walrus ’のエンディング部に類似
した「無限進行」を確認することができます。
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