22．宗谷丘陵の「不思議なエリア」

【写真：宗谷丘陵の「白い道」　2004年09月21日08時38分撮影】

　宗谷岬の背後に広がる「宗谷丘陵」。数年ほど前から、この内部へ
奥深く入るようになった。宗谷岬から稚内市中心部方面へ国道 238号
線を進むと、清浜という地区があり、宗谷丘陵に入る道が伸びている。

　ここへ最初に入ったのは、1993年あたりであろうか。この時はまだ
小高い丘の上にある、通信施設のような建物の少し先まで（目梨川に
かかる橋）しか道がなかった。その先は工事中であり、今来た道を、
ただ引き返さなければならなかったのである。

　この道は、稚内市清浜→「ポイントＡ」→猿払村小石・道道 138号
線→猿払村石炭別・道道84号線と、宗谷丘陵を縦断する道になる予定
である。最近、この道が道道 889号線であることを知った。ちなみに
「ポイントＡ」から西へ進むと道道1077号線となり、モイマ山を経由
し、稚内市下増幌に出る。同じく東へ進むと、ボコボコダートを経由
し、稚内市東浦・国道 238号線第一苗太路橋に出る。ボコボコダート
は、数年前既に走破済。しかし、現在は舗装化工事中で通行止になっ
ている。いっぽう、道道1077号線は通り抜け可能となっており、2004
年に走破した。
　
　道道 889号線は、既に観光バスも入っている。午前８時になると、
清浜方面から、さきほどの通信施設付近をゆっくりと走行している。
道道889 号線が貫通したならば、交通量がさらに増加するであろう。
興味のある方は、今のうちに宗谷丘陵の景色をゆっくりと楽しまれる
ことをお勧めする。

「不思議の国のアリス」　

　清浜から道道 889号線に入り、ゆったりと丘を登ると、通信施設ら
しき建物が遠くに見えてくる。やがて道は、三叉路に出る。左へ進む
と宗谷岬（大岬）に出る。「不思議なエリア」は、先ほどの施設が見
えてくるポイントと三叉路の間の左手にある。場所をズバリ示すのが
難しいのであるが、道道沿いに左に入ることができる小道があるので
そこから進入する。

　進入すると、牧草地の中を真っ白なダート、「白い道」が続いてい
る。「白い」ものの正体は何だろうか。それは、「砕けた白い貝殻」
なのである。起伏のある丘に広がる緑の牧草地、傍らには背丈の低い
木々、北方を眺めれば、真っ青な宗谷海峡と、黒々とくっきり見える
サハリンの島影、西方を見れば、利尻島と礼文島・・・。そんな風景
の中に「白い道」は続く。「ここはいったいどこ？」まるで不思議の
国のアリスになった気分である。「白い道」の向こうから、うさぎが
勢いよく飛び出してきそうな、不思議なエリアである。非現実を超え
た現実の世界、「超現実の世界」がそこには広がっている。

宗谷丘陵から近くて遠いサハリンを望む　→Click