2088．YOU NEVER GIVE ME YOUR MONEY

　ブライアン・エプスタインの死後、ビートルズは鳴り物入りでアッ
プルを興しました。しかし、次第に財政状態は下降線をたどります。
‘You Never Give Me Your Money’は、その状況をポールが表現した
ものです。

　イントロのピアノの音は、どことなく輪郭がぼやけ遠くから聞えて
くるような感じです。状況とマッチした「黄昏感」が漂っていますね。
財政の悪化で「アンタはへんてこりんな紙きれをオレによこすばかり」
と嘆くだけではないのが「ポールならでは」といったところでしょう。

　後半では「リムジンに乗り込んで」「こんなところから決別だ」と
未来に向っての夢を語っています。なんとなく示唆的で意志深い表現
ではありますが・・・。

　“ABBEY ROAD”ではオーヴァーダブが施された「仕上がり」を聴く
ことができますが、今回はベーシック・トラックをご紹介いたします。
最後でジャム・セッションになだれこむのも聴きどころです。どうぞ。




　

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