1085．WITHIN YOU WITHOUT YOU

　ビートルズの「ソロ化」が進む1965年以降、ポールに続き、ジョー
ジも「ソロ」作品をリリースしました。1967年の“SGT. PEPPER'S ”
に収録された ‘Within You Without You ’です。

　この曲は、インド音楽を感じさせるナンバーですが、前作の‘Love
You To’では他の３人もレコーディングに参加していました。しかし
‘Within You Without You’では、他の３人はレコーディングに参加
していません。レコーディングで作者のみの参加になったナンバーは
その当時‘Yesterday ’‘Eleanor Rigby ’に続いて、‘Within You
Without You ’で３曲を数えることになりました。

　「愛があれば、僕たちは世界を救える」「すべては君自身の内側に
存在し、誰もそれを変えることはできない」といったメッセージは、
‘Across The Universe ’など、後のジョンの作風に共通するものを
感じます。

　この曲の持つメッセージは、きっと1960年代というものを超越した
ものなのだと思います。しかし、音楽そのものは、“SGT. PEPPER'S ”
と強く結びついています。インドのラーガのジャムの中でジョージが
内なる感情を十分に表現した結果、ビートルズのナンバーでは最初の
「５分を超える曲」（当初は６分を超えていた！）になったのです。
その結果、楽曲的には‘Love You To ’をはるかに超える深みのある
内容になっています。

　エンディングで、ハッとすることがあります。あの嘲笑ともいえる
「笑い」・・・。この笑いには、どのような意味が込められているの
でしょうか。単なる「変わった効果」をジョージが演出しようとした
のでしょうか。そうではないと思います。これは、ジョージが「私は
神や預言者ではなく人間である。人間である自分を受け入れて欲しい」
と人々に呼びかけるために加えたものではないでしょうか。



↑If this article is quite good, will you please click?