私には、成人した3人の子どもがいます。
長男も、次男も
結婚1年目には、普通に子供が授かり
何事もなく十月十日が過ぎ、無事出産。
それが当たり前だと思っていました。
私自身も、3人の子どもに恵まれ
妊活に関して苦労した事は一度もありません。
(昔は「妊活」なんて言葉・・・なかったけどね)
なので当然、一昨年結婚した娘も
同じ道を辿るものだと思っていました。
ところが自然に任せて1年、赤ちゃんができません。
冷え性だから?
看護師の仕事がハードだから?
確かに夜勤があると
基礎体温も正確に測れません。
最初は色々と理由を考えていましたが
さすがに少し心配になり
近くの産婦人科に行き
先生の指導のもと
一般的なタイミング療法を
試してみたようです。
が・・・妊娠しません。
今では、ネットで色々情報を
得る事が容易にできる時代なので
娘なりに調べ
名古屋では有名な不妊治療の専門病院に
通い始めました。
私も2度一緒についていきましたが
広い待合室に、座る席がないほどの患者さん。
こんなに自然に赤ちゃんを授かる事の
出来ない人がいるんだ・・・と
驚かされました。
さすがに20代と思われる若い人はほとんど見かけず
30歳を過ぎた落ち着いた年代の女性がほとんど。
30歳になったばかりの娘は
まだ若い方だと思いました。
壁には、成績表ならぬ
めでたく妊娠した方のイニシャルと年齢
初診から妊娠までの年数
体外受精の回数などが
書かれた表が張り出されていました。
それまで私自身
不妊治療に関して
いかに知識がなかったか
逆に言えば
今の不妊治療がいかに進んでいるか
それと、こんなにお金が掛かるものかを
思い知りました。
1枚目の「妊娠おめでとうございます」の写真。
体外受精1回目でした。
喜んだも束の間
次の診察の時に
「胎嚢が見えません」と言われ
結果、流産。
涙涙でした。
タイミング治療
人工受精
体外受精
・・・と進み
途中、ホルモンのバランスが崩れ
体調不良で仕事に支障をしたすようになり
2か月休職。
確かに卵胞ホルモンを増やすために
飲む薬の量がハンパなく
血液検査の数字が
最初は二桁だったのが
最後には1000をはるか超えるまで
飲み続けるのですから
体調がおかしくなるのも頷けます。
あと毎日自己注射をしなければならない期間があり
娘は看護師なので、注射には慣れているものの
自分で自分に打つのは
やはり抵抗があったようです。
他にも
体外受精で胚移植を行う前に
受精卵の着床をよくするために
お腹にエストラーナテープを貼るのですが
最初1枚だったシールが
2枚3枚4枚とどんどん増え
最後は8枚まで増えました。
それをずっと貼りっぱなしなので
お腹の皮膚がかぶれ真っ赤になり
とうとう先生から
これ以上テープは無理だと言われ
飲み薬に替えてもらった事も。。
「どうして女ばかりこんなに苦労しなければいけないの」と
泣き言を言う娘を
なだめる事しかできない無力さを感じました。
毎日毎日「ネット検索魔」に陥り
一喜一憂している娘と
フォーシーズンズ京都に行ったのは
ちょうどそんな時でした。
かなり精神的に落ちていたので
少しでも気分転換になれば・・・という親心でした。
身体以上に
心が疲れてしまう・・・そんな状態。
親の私はというと
京都の「鈴虫寺」で、娘の妊娠を願い
出雲大社では「赤ちゃんとの縁」を結び
名古屋近辺で子授け祈願に
有名な神社を調べては
あちこちに出掛け
困った時の神頼みとはよく言ったものです。
その後、顕微授精に進み・・・
2回目の移植で、陽性反応が出ました。
しかし、前回のように
陽性になっても
ダメな場合もあるので
手放しでは喜べず
次の診察日で「胎嚢」の確認が
出来るまでドキドキでした。
診察日の当日、娘からの知らせを
今か今かと待っていました。
「胎嚢確認できたよ!」
そう届いた娘のLINEに
心底安堵したものです。
卵胞も確認され、無事
正式に「妊娠」する事ができました。
夢にまで見た「母子手帳」が交付されました。
予定日は9月下旬です。
やっと5か月の安定期に入りました。
19日は戌の日だったので
神社へ安産祈願に行ってきました。
2回目の顕微授精で妊娠できた事は
早い方なのかもしれませんが
この2年近く
まじかで治療を見てきた私にとっては
長かった気がします。
正直・・・
産むが産むまで、心配は尽きませんが
今は、無事に産まれてくれる事を祈るだけです。
「子どもを授かる」という言葉の重みを
これほど感じた事はありませんでした。
「まだ赤ちゃんできないの?」
「2人目、まだ?」
「お孫さんは?」などなど・・・
今まで、私は知らない間に
友人や知人に
無神経な言葉を
投げかけていたんじゃないか・・・と
とても反省しました。
母の車椅子もそうですし
今回の不妊治療もそうですが
自分がそちら側になって
初めて分かる事
気付く事って
こんなにあるんですね。
今は・・・
9月に「無事産まれました~」と
皆さんに、ブログで嬉しい報告ができることを
心待ちにしています。