朝散歩。公園の池には、カルガモ、カワセミ、シロサギなどが見られるようになりました。。。ところが、池のフェンスに張り紙がありました。10月下旬~来年の5月下旬迄、池の浚渫工事をするとか。また!? 昨年の工事は、池の半分までしかしなかった。せっかく戻って来た水鳥たちはどうするの
朝井まかてさんは、次から次へと新しい趣向の作品を発表されています。2017年1月発表のこれは、
朝井まかて 著作『銀の猫』文春文庫
江戸末期・天保時代の「介抱人」の話。
「家を継ぐ者が、親の老後を看取る」が当たり前の時代。この小説に寄れば、老親の介護は一家の家長・息子がするものだったらしい。仕事を投げうってでも、老親の介護を尽くす。それが孝と言うものらしい。妻は見て見ぬ振り? え~っ、何か変じゃなぁい。
しわがよる、ほくろができる、腰まがる、頭ははげる、ひげ白くなる。
手は振れる、足はよろつく、歯は抜ける、耳は聞こえず、目はうとくなる。
身に添うは、頭巾、襟巻、杖、眼鏡、たんぽ、温石(おんじゃく)、しびん、孫の手。
聞きたがる、死にとむながる、寂しがる、心はまがる、欲ふかくなる。
くどくなる、気短になる、ぐちになる、出しゃばりたがる、世話やきたがる。
またしても、同じはなしに子を誉める、達者自慢に人は嫌がる。
<老人六歌仙 仙厓和尚(1750-1837)>
この小説に出て来た文とは少し違うかな。
連作短編小説かと思ったが、そうでもなかった。
女性を専門とする口入屋、今でいう人材派遣会社に登録しているお咲は、介抱人として働いている。今でいう訪問介護士。泊りあるいは日帰りで年寄りなどの訪問介護に出向く。江戸時代にこんな職業、有ったのだろうか? 骨折で動けなくなった人、中気の人、老耄の人、様々な人の介護にまわる。お咲は、厄介な母親佐和を抱えている。佐和は、金使いが荒く、家事など一切しない。佐和の拵えた借金を返すため、懸命に働かなければならない。深刻な題材だけれど、まかてさんは結構面白可笑しく描いている。
介護に手に余った家庭に助けに伺うわけだが、介護される側は人生の達人、一筋縄にはいかない。介護しなければ世間体が悪くてしかたない。息子の本音を聞き出し、笑う親。隠居生活に生きがいを見いだせず、金遣いを荒くして息子を困らせる母親。
今様な話題だよね。親の世代を看送って、今度は自分たちの番だと思う団塊の世代には、身につまされるよね。そんな親とは、縁を切ればいい。それも出来ず、どうやって折り合いをつける?
今は、介護保険が有って、実費の1~3割負担で介護を受けられるが、そんなものの無かった時代、介抱人を雇えるのは裕福の人達だけだった。それで介抱指南書みたいの物を作る手伝いをします。江戸時代にそんなもの有ったのだろうかね。まかてさんの小説は、すごい!
菊の事。庭木の葉表は南を向いている。福来雀の事。知らなかった。
この本のお気に入り度:★★★★☆
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