佐藤雅美 著 「恵比寿屋喜兵衛手控え」 講談社文庫
時代娯楽小説は、善悪がはっきりしていて、善人が勝つほうがいいのに決まっている。
この小説に出てくる人たちは、普通なんだよなぁ。どちらかといえば悪人。でも悪人になりきれない善人。善人にもなりきれない。
江戸の公事宿のあるじが主人公。公事訴訟の世話をやくのを生業としている。公事訴訟の世話人って、今でいえば、司法書士とか弁護士とか? 善人ではできない仕事なんだろうか。
物語の縦糸は「四ツ谷塩町手付金出入の件」
でも横糸がややこしい。商売の損得で、親戚でも陥れようとする。金持ちなら妾を持つのが普通? 妻は怒るよね! 根っからの悪党も出てくるし、いろいろな欲得が入り混じって・・・、なるほどこういった結末か。
出てくる人たちは、普通の人たちで、普通に有りそうな事柄で、怖い。
平成5年下期の直木賞受賞作。
この小説のお気に入り度は: ★★★★☆ です。
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