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宇江佐真理 著 「髪結い伊三次捕物余話 幻の声」 文春文庫
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男の作家が書いた時代小説は、切った張ったばかりが多いけど、女性が書くとこうなるのかね。女性の心を描いている?
幻の声に出てくる駒吉は、父親とそっくりな声をした男に貢いで、その罪まで被ろうとする。暁の雲では、惚れあって一緒になった夫を殺してしまう女性の心裏・・・
そう、この小説は女性の心の裏を描こうとしているのか。
男性の作家ではなかなか描けない?
町方同心の手先をつとめる伊三次と、その恋人の芸者のお文。
北町奉行所の定廻り同心の不破友之進と、妻のいなみ。
登場人物は、それぞれ不幸を背負いながらも、人情厚い良い人ばかり。
これってさぁ、ひょっとしたら捕物に名を借りたラブストーリー?
伊三次とお文はどうなることやら、
この小説のお気に入り度:★★★★☆