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宇江佐真理 著 「髪結い伊三次捕物余話 さんだらぼっち」 文春文庫
「鬼の通る道、爪紅、さんだらぼっち、ほがらほがらと照る陽射し、時雨てよ」の五話。
宇江佐真理さんは、私の妻と同い年? 団塊の世代で、同じ時代を生きてきた人らしい。そう思ってこの小説を読むと、何やら共感してしまう。同世代の女性の目で世間を見るとこうなるの?
「鬼の通る道」は、人殺しの犯人を知った同心・不破の子・龍之介の葛藤。「爪紅」は、若い娘にネイルしてやって歓心を買い、いたずらをしてしまう男の話? いや、この小説は犯罪を行う人の心を書いているのではなく、伊三次やお文にかかわる人たちの人情とかを描いている。直次郎は、スリをやめ堅気になろうとするし、専業主婦となって長屋住まいとなったお文は、やさしさから諍いをおこし長屋を出て、芸者に戻ってしまう。伊三次に弟子ができたり、お文の懐妊、えっ!この次はどうなるの?
当分は、このシリーズに釘付けにされそうです(笑)
この小説のお気に入り度:★★★★☆