五木寛之著 「親鸞 上/下」 講談社
"親鸞"を読み始めて、「これはいつも読んでいるチャンバラ小説と同じではないか?」と思ってしまった。平安から鎌倉初期にかけての末法の時代を、親鸞は駆け抜ける。"道元禅師"の方は、説法が多くて読みづらかった。
道元と親鸞はほぼ同時代の人。親鸞の方が若干早く生まれおそく死んでいる。共に比叡山で天台宗を学び、共に同じような疑問に突き当たる。すべての生き物に仏性が有るのならば、苦しい修行をして悟りを開く事は無いのではないか? 道元が至ったのは”只管打坐” ただひたすらに坐禅をする事。親鸞は法然に師事し他力による”易行念仏”に至る。
道元と親鸞は、共に公家の出。道元は摂政関白を約束された高貴な一族、親鸞は貧乏貴族?
道元と親鸞は、共に比叡山や南都の旧仏教から迫害を受ける。親鸞は朝廷から念仏停止の命を受け越後に流罪となる。道元は、迫害を恐れ福井の地に逃れるようにして京を去る。
"親鸞"は、小説として面白い。ツブテの弥七や、法螺房弁済、黒面法師などの登場人物が物語を面白くしている。末法の世に生きる人々の生き様。救いを念仏に求める姿。現代の日本は平和だから無宗教の人が多いのかな?
"親鸞"の物語は、越後に流罪になる所で終わっている。越後から東国をまわって京に戻る残りの半生の小説を、読んでみたい!
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