猛暑がまだまだ続きます。
散歩道。アゲハが花壇の上を舞う。
バカチョンのデジカメを振り回して追ってみた。
偶然の一枚! 上出来か?
諸田玲子 著 『恋ぐるい』 新潮文庫
江戸時代の奇人・変人・天才の平賀源内(1728ー1780)の物語。信州佐久・海ノ口城で武田信虎に滅ぼされた平賀玄信の末裔だったとか。源内の事は、江戸時代の発明家だったぐらいしか、知らなかった。
物語は、源内が人を殺めて投獄され、そこでの回想のかたちで進みます。下働きの女、野乃から見た物語を獄中の源内が書くという、小説内小説?
源内は、獄中で破傷風をこじらせ死んでしまう?
人は皆、死ぬ前になると自分の一生を振り返り、懺悔なんぞをするのだろうか?
この小説は、そんな感じで、源内の生涯が描かれていました。
讃岐・高松藩の足軽の子として産まれるが、本草学に興味を持ち、離藩して江戸に出ます。自信過剰で派手好き、見栄っ張りの才人。頭脳明晰なれど、一つの事に腰を据えてする事が出来ない八方美人。本草学者、地質学者、蘭学者、医者、殖産事業家、戯作者、浄瑠璃作者、俳人、蘭画家、発明家。
金儲けを試みるが、どれも成功せず。気のいい見栄っ張りのお人好しだから、少し金を儲けると、誰彼となく奢ってしまっていつも貧乏。貧乏に我慢できず僻み、負の連鎖が続いて行く。
平賀源内ってほんとうに、こんな人だったのだろうか?
この物語では、下働きの娘・野乃に手を出して恋い焦がれます。天邪鬼だから、素直に打ち明けられず、ややこしい顛末になって行きます。ついには、野乃を巡って癇癪を起し人を殺します。
何事にも器用で発明工夫上手だった才人も、人の世の生き方だけは、不器用だった。そして恋も。
この小説のお気に入り度:★★★☆☆
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