佐藤賢一 著作 「傭兵ピエール」 集英社文庫
歴史小説とは、ある程度は史実に基づきながらも、
作者の妄想により、何物かを描いていくものだろうか?
何物かって、なんだ!
15世紀のフランス。王権を巡ってのイギリスとの百年戦争のさなか、市民も農民も国土も疲弊していた。為政者は、自分達の権益ばかりを求めていた。この物語の主人公ピエールは、戦いの有る時は傭兵となり、そうでない時は盗賊となって過ごす傭兵隊長だった。そんなフランスを救おうと立ち上がったのが、救世主ジャンヌ・ダルク。これは、ジャンヌ・ダルクとピエールの恋物語???
1429年、ジャンヌ・ダルクを擁するフランス軍は、オルレアンを開放しランスにてシャルル7世の戴冠式を行った。
しかし、パリ開城は出来ず。突出するジャンヌ・ダルクに王は協力せず。
ジャンヌ・ダルクはイギリス軍に捕まってしまい、1431年、ルーアンにて火刑されてしまった。
これが史実!
いいんだ! 小説では、歴史を曲げても!
破天荒な傭兵隊長ピエールと、その部下達の事が描かれていた。ピエールは部下思いなんだ。
盗賊に襲われて略奪された村や町、そして女たちの悲哀。でも、何故か明るいんだよね(悲)
正義と信仰に燃えるジャンヌ・ダルク。直情的に動く様は滑稽にも見える。
これが”正当な中世の騎士”みたいな人が出てきたり、性悪な貴族が出てきたり。
ピエールは、ルーアンでジャン・ダルクを救出しハッピーエンド?
劇画にした方が面白いかも知れない。
この小説のお気に入り度:★★★★☆
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