第七部 壬申の乱 / 第八部 わが国家成る
この時代の小説は
杉本苑子 著 「天智帝をめぐる七人」 文春文庫
井上靖 著 「額田女王(ぬかたのおおきみ)」 新潮文庫
三田誠広 著 「炎の女帝 持統天皇」 廣済堂出版
永井路子 著 「美貌の女帝」 毎日新聞社
とかを、過去に読んだことがある。
八木荘司氏は、情感にとらわれずこの時代のありがままを、忠実に描こうとしたのだろうか。
「天智帝をめぐる七人」などを読むと、中大兄皇子は、石川麻呂を陥れ、孝徳天皇を難波の地に置き去りにし、有間皇子をだまし討ちにし、政権奪取した人のように思えてくる。しかし、八木荘司氏のこのシリーズでは、中央集権の国家を成し、律令制度を確立していく強い姿が描かれている。
「炎の女帝」の持統天皇や「美貌の女帝」の元明天皇・元正天皇のような怨念に満ちた姿か描かれていない。
藤原不比等は、中央集権・律令制度を完成させた人。娘を天皇の後宮にいれ、外戚となって政権奪取していく姿は描かれていない。
人には色々な一面が有り、歴史も見方を変えれば違った一面を持つ。それはどちらも正しい評価で、こうして我国は成った!
私のお気に入り度:★★★★☆
最近の「本と雑誌」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事