登場人物達が非常に面白い!
城代となる成田長親は、領民やら家老たちにでくのぼうの役立たずだと馬鹿にされ、のぼう様と呼ばれ愛されている。
話の舞台が、先に池波正太郎の「忍びの旗」を読んだばかりの私にとっては、これまた興味深い。
「忍びの旗」の舞台の鉢形城は、埼玉県大里郡寄居町大字鉢形、「のぼうの城」の忍城は、埼玉県行田市。
ずいぶん近いではないか?
共に、天正18年(1590)年、豊臣秀吉の北条攻めの時の話だ!
忍城は、石田三成によって攻められる。
この小説では、登場人物達が実に楽しくかわいく描かれている。
これが石田三成か! これが長束正家か!
のぼう様の挙動の可笑しさと、それを取り巻く武将、農民、お姫様・・・
すべてが、なにやら可笑しく可愛い。
登場人物たちは・・
主人公(?)の成田長親は人々から”のぼう様”と呼ばれて愛されている。
のぼうとは、でくのぼうの略称。
大男だか、智も仁も勇もなく、ただにくめない、愛すべき役立たず!
彼がはからずも城代となってしまい、石田三成の忍城攻めに対処する。
正木丹波守利英は、どんぐりまなこの愛嬌もの? いや、成田家一の家老で、武勇の人。
酒巻靱負も、若輩者ながら家老で、兵書を読み漁り知略で戦いぬこうとする。
柴崎和泉守も、鬼顔の武勇の家老!
武勇の甲斐姫が面白い。
結局、のぼう様を助けなければいられない。
農民たちが面白い。たへい、ちよ、ちどり、かぞう
最後に登場する、柴崎和泉守の女房がまたいい!
お気に入り度 ★★★★★
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