暴走、頑迷、判断の甘さ～高野連がフジテレビに抗議

　先日放送されたバラエティー番組の内容をめぐり、日本高等学校野球連盟（高野連）がフジテレビに抗議しています。これに対しフジテレビ側は番組そのものが問題とはあまり考えていない模様で、高野連には抗議に対する批判も寄せられているそうです。
　この問題について詳しい解説を行っているJ-CASTニュースの記事（ミスチルファン1974さんのエントリ経由で発見。ありがとうございます）によれば、高野連の田名部和裕参事は取材に対し、

「宿舎の対応が問題。お客さんについてプライバシーに関することをもらさないのは宿泊施設としての大原則で、しかもこの宿舎は高野連の指定宿舎で、選手に手配しているのは高野連です。バラエティー番組に出るのが問題とか『おなら』が問題ということではなく、第3者にそうした情報を出すときに断りを入れないのが問題だ」
「放送するという、いわば原因を作ったのはフジテレビということになった。フジも事前に手を打つべきだったし、あれはお笑いのネタとして生徒の活動を取り上げるには『限度』を超えていた。私たちは子供たちを守る立場ですから（こうした処置に踏み切った）。法律的にどうこうという話を言っているのではない」

と説明しています。
　実は私もこの番組を見ていたのですが、正直なところこの旅館でのシーンに関しては、他のシーンと比較してさほど面白いとは感じませんでした。屁ネタを執拗に引っ張る岡村がだんだんクドく思われましたし、自分が高校球児ならあのカプセルは使いたくないなぁと思ったりもしました。
　旅館の人についても、テレビ局の求めに応じただけではあるんでしょうが、色紙まで書かせた点に関しては、いささかやりすぎな感はあると思います。そういうことからも、高野連が黙っているはずはないだろうと思っていたら、案の定でした（笑）
　その一方で、問題の番組が早稲田実業の野球部や斎藤投手を揶揄するようなものではなかったとも思います。斎藤投手たちが食べた食事を公開するぐらいのことが、侮辱になりようもないでしょう。
　それだけに、高野連の抗議に批判があるのもうなずける話です。と考えていくうちに、だんだん考えがまとまらなくなってきましたが（＾＾;;）
　ただ残念なのが、先ほども書いたように、旅館の人がテレビ側の求める展開に乗っかってしまった点です。
　やり方次第では「番組の内容はテレビ側が勝手に決めたことで、こちらは与り知らぬこと」という逃げ方もできたんでしょうが、（おそらく）色紙1枚を求めたばかりに、そうもいかなくなってしまった。説明を見る限り、一義的な責任は宿の側にあると高野連は考えているようです。
　ちなみに問題の旅館はもともと東東京代表の定宿です（早実が属する西東京代表は例年別の旅館に泊まっています）。昔帝京高校が優勝したときに、この宿からインタビューをしているのを見たことがありますし、あるいはウチでいえばひちょりも泊まったことがあるのではと思います。
　そういう点もあるだけに、今回の一件は残念ですし、旅館の側にもう少し歯止めをかける意識があればというのが惜しまれてなりません。高野連がどういう組織かは知っているはずですし、テレビの側は暴走するのが仕事ですから。