にわか日ハムファンのブログ記念館

2004年8月から2014年6月にかけて更新してきた当ブログを静態保存しております。

コント的な結末、そして見えない後始末:TBS、横浜ベイスターズ売却失敗

2010-10-27 23:59:59 | 言わせてもらいます・球界に苦言提言
 えーと、ニュースを知ってまず連想したのがこの音楽なんですが。




 フルオーケストラ版なんてものも見つけちゃったりしたので、そちらもどうぞ。


 

 っていうだけでエントリにしたいくらいなんですが、それじゃいくらなんでも手抜き過ぎなので。

 ベイスターズの経営権譲渡が成立しなかったことに対しては、立場によっていろいろな評価なり感想があり得るとは思います。
 で、私自身なんですが、「これでよかったんじゃないの?」ぐらいに思ってます。
 当初はTBSやベイスターズに対して呆れる半分、言葉は悪いですが、まぁ彼らならこのぐらいやりかねないなと思うのが半分だったのですが、よくよく考えてみれば、焦って売却しないのも一つの選択ではないかという気もしてきます。
 ここまでの報道では球団本拠地の移転が交渉決裂の要因としてクローズアップされているようです。この点については後で触れますが、確かに球団が首都圏を離れると、テレビ中継をするにも地元局との調整が必要となってきます。
 実際、地上波中継が激減したとはいえ、TBS傘下のBS-TBSやニュースバードではベイスターズ戦の中継は行っていたわけで、それをどうするか、中継しないとなれば代わりの番組をどうするかを考えねばなりません。面倒といえば、確かに面倒臭い話です。
 球団からすれば、使用球場が分からないのも困りますし、監督・コーチをはじめとする人事でも身動きが取れないのは確かに痛い。身売りするにしろしないにしろ、とにかくはっきりさせて欲しかったことでしょう。
 一方の住生活グループ。ハマスタも市長も球場の使用条件を変える気配はまるでないだけに、本拠地を変えたくなるのは当然ですが、TBSもベイスターズも抵抗したあげくに交渉打ち切り。なんじゃそらという気分でしょう。
 とはいえ、彼らが当初の目的としていたグループの宣伝は期せずして果たせたわけです。その効果は球団を保有するよりはるかに小さいものでしょうが、球団保有のコストを差し引いてから比べた場合どうなるかは分かりません。
 さらに、売買交渉の過程で株価が下がった点も見逃してはなりません。球団売却交渉が明らかになった10月1日から同月26日までに、住生活グループの株は4.5%下落。この間東京証券取引所の全銘柄の値動きを示すTOPIXは1.5%下落しており、それよりも下落率が大きくなっています。
 しかも、27日に同社の株は前日比54円、率にして3.5%上昇。同じ日にTOPIXが下げたにも関わらずです。これを見れば、投資家にとってベイスターズを抱え込むことが好材料だったか、悪材料だったかは自ずと明らかでしょう。
 だとすると、金食い虫のくせに本拠地だ人事だと文句だけは煩い相手をわざわざ抱え込んでやる義理はありません。ここら辺がちょうどいい潮時だったのではないでしょうか。

 というわけで、お互い折り合えない部分があった以上、交渉が決裂するのは当然です。当面はそれでいいのですが、問題はその後です。
 売却交渉が失敗したということは、赤字のTBSが赤字体質のベイスターズを保有するという構造が変わらなかったということです。この状況を打開するには、新たな売却先を見つけるか、ベイスターズの赤字を大幅に減らすか、どちらかが必要になるわけです。
 ですが、そのどちらも現状では厳しいと考えざるを得ないでしょう。
 売却先については、買う側の立場で考えてみましょう。あなたが企業のトップだったとして、毎年20億のカネを喰う企業(しかも面倒な付属物がいっぱい!)をそう簡単に抱え込めるでしょうか?
 確かに、神奈川地盤の家電量販店ノジマが買収のオファーを出していますし、そのオファーはまだ取り下げられてはいません。
 ですが、ノジマは昨年度の経常利益が約58億円。その前の年度で37億円((ノジマ平成22年3月期決算短信・2010年5月10日・PDFファイル)。はたしてベイスターズを継続して保有する体力があるかは疑問です。
 一方、ベイスターズの経営改善はというと、これまた極めて怪しいと言わざるを得ません。理由はいくつかありますが、大きいのは(先ほども書きましたが)ハマスタの使用条件が変わる気配が感じられないからです。
 千葉マリン球場が2004年のいわゆる球界再編問題後、使用条件を大きく変えたのと比べれば、ハマスタと地元自治体の姿勢は雲泥の差に見えますし、ベイスターズ球団がそれでも横浜にこだわるのは、私からすれば正気の沙汰とは思えません。何か裏でもあれば話は別ですが。
 となれば、今のままではいずれベイスターズは立ち行かなくなることでしょう。あるいは、TBSやベイスターズが「あの時住生活の言うことを聞いていたら……」と後悔する日が来るかも知れません。
 しかし、それもこれも自分で選んだことです。経営が行き詰ろうが球団がなくなろうが、自分たちが蒔いた種を自分たちが刈るだけの話です。どうやら、ようやく私が言いたいことを言う時が来たようです。
 2004年、私はバファローズとブルーウェーブが消滅させられることに対して抵抗しました。それが蟷螂の斧であったとは自覚していますが、いかに小さなものであれ、その抵抗は当ブログの原点であり、今も変わっていません。
 ですが、今後の横浜ベイスターズに関しては話は別です。今後ベイスターズが消滅の危機に瀕したとして、特に何をする気にもなりません。せいぜい、他の11球団が迷惑しないようにしてほしいというぐらいです。
 今までのしがらみを切り捨てて、新しく生まれ変わるチャンスを見送ったのはベイスターズ自身です。
 いや、ベイスターズ球団だけの話ではありません。事ここに至るまで地元自治体は何をしてきたのか?これからベイスターズが横浜で存続し続けるために何をするのか?いや、何かをしようという気は本当にあるのか?
 そして、10月に入ってからここまで、ベイスターズファンは何をしてきたのか?2004年には署名活動があり、ウェブでの議論や意思表示、連帯があり、デモがありました。今回はそのうちどれがどの程度あったのでしょうか?
 と考えていくと、もしこのままベイスターズが行き詰ったとしても、それはベイスターズに関わる人々の責任とこそ思え、同情する気にもなりません。何もしない人たちを助けろと言われるのは迷惑です。
 ここまで書くと、ベイスターズファンの中には頭に来た人がいるかも知れません。いや、いてほしいのです。いなかったとしたら、もうこの球団に存在する価値はありません。
 そして、もしそのような方がいたとしたら、ベイスターズが将来もあり続けるために「自分たちが」何をすることができるのかを考えていただきたい。考えたら、できれば行動していただきたい。誰かに頼るのではなく、自分たちで。


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4 コメント

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とりあえず言えることは (M・K)
2010-11-01 21:42:37
「レック、残留へ一歩前進」でしょうか。

今回の売却話は、かつて堤氏がやらかした「もう一つの合併話が進行中」発言並みに
現実感の伴わない話だったなあと、ふと思いました。

「踊らされてしまった」とはまた違う感覚なのですが……。
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M・Kさん (ルパート・ジョーンズ)
2010-11-01 23:13:05
レックの残留はほぼ間違いないでしょうね。
とはいえ、これとてファンが何をしたというわけでもないんですよね。
2003年、2005年のファイティーの件を思えば、楽で良かったことで。

今回の話ですが、普通ならまとまっていたんじゃないかと思います。
もっとも、住生活の側が本拠地の件でオリックス並に狡猾になれなかったのも、
話が物別れに終わった原因と言えなくはないですが。
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これに関しては (あさぎや)
2010-11-04 23:05:43
第一報の後にぽろっと書きましたが、“あの”ナベツネ氏すら援護射撃してくれていたのに球場の使用条件など収益構造について、今回は結局見直されなかったようで残念というしかありません。

神奈川県や横浜市の姿勢はよく存じませんのでコメント控えます。


こっから余談で。ウチの地元県知事さんが今夏任期満了で引退されまして、いち私人となってもアイランドリーグ・香川の試合をちょこちょこ見に来て下さってます。NPBとは比べ物にならない、ずっとささやかな話ですけど県庁の好意から始まって地元スポーツクラブのグラウンド(体育館等も)使用料を減免してくれていたりします。貧乏なマイナースポーツクラブには心底ありがたい話なんですよ。
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あさぎやさん (ルパート・ジョーンズ)
2010-11-04 23:32:22
TBSがそもそも球団の経営状態を把握してなかったという報道すらありますね。
つくづく惜しい話を逃したものですが、自分たちの責任ですから仕方ありません。

話は変わって、香川といえば優勝パレードがあったそうですね。
地元自治体が可能な支援を行って、チームが頑張りで答える、
規模はさておき、理想的な協力関係ではないかと思います。
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