■ 花巻東・大谷、21日にも「国内プロ」表明(報知・2012年10月20日・魚拓)
報知新聞とは何だったのか。
まぁでも、このまま隠さずに自ら晒し続けるとしたら報道者として評価すべき態度ではありますが。
で、本来のMLB志望表明の報道はこちらで。
■ 大谷メジャー挑戦表明「やるからには世界一の投手に」(スポニチ・2012年10月22日)
本人の一問一答もみておきましょう。
■ 【大谷トーク】「メジャーへの憧れ強かった」(サンスポ・2012年10月22日)
率直にいって国内球団にとっては大ショックでしょう。うちもドラフト戦略が狂いそうですし。となると、大谷のみならず他のプロ志望選手にも少なからぬ影響が出るかも知れません。
ただ、私自身はというと、自分でも意外なほど違和感なくこの表明を受け入れています。少なくとも、田澤(当時新日本石油)のときのような「嫌な感じ」はありません。
なぜだろう? 私が「大人」になったから、といえば言えなくはないのでしょうが、それではまるで説明になっていません。
大谷の「思い」が伝わったから、というのもあると思います。ただそれも漠然としているので、もう少し詳しく言えば、MLBでの活躍を目的としていて、渡米を手段として利用しようという姿勢がない、となるでしょうか。
ですが、それより何より大きな要因は、問題があるとすれば大谷よりも新人獲得制度の未整備にあるわけで、MLBに行きたいという選手を叩いても何にもならないのが分かったことではと思っています。
ニッカンの記事に高校生とMLBとの交渉についてまとめてありますが、国内球団がドラフトで指名を行った場合どうなるのか、これでは分かりません。
つまり、国内球団の排他的な交渉権は翌年3月31日まで有効なのですが、この規定に外国球団が拘束されるかどうかが不明確ですし、ドラフトを無視してMLB球団が契約を強行した場合の規定なり罰則なりもないのです。
大谷のような選手が出てくることは、以前から分かりきっていたことです。なのに、ここまで何の手立ても講じられなかったばかりか、まるで想定できていなかったのが問題なのです。
スポニチの記事によれば、学生野球協会からも早急なルールの制定が求められているとのことです。私自身も、現状を野放しにすることはこれ以上認められないとは思います。
が……問題は2つあります。1つは、「ならどういうルールが必要なのか」。
NPBとMLBは優秀な選手の獲得を巡って利害が対立します。さらに送り出し側の学生野球協会も加わると、いずれの側にとっても納得のいくルール制定は容易ではありません。
何より、この3者のうち1者だけがルールを作っても、残る2者がそのルールに縛られる、あるいは従う保証はどこにもないわけです。
となると、結局は3者による交渉が必要になるのでしょう。学生野球協会にしても、ルール化を求めるだけではなく、その過程に参画するぐらいでないといけないのかも知れません。
にしても、もう1つのきわめて厄介な問題が残ります。NPBという組織が腰を上げるとは期待できない、腰を上げても多分ロクなことにはならない、ということです。
田澤のMLB入団を受けて彼らが作った規程といえば、国内ドラフトを経ずに米球団に入団した高校生は契約終了から3年間、大学・社会人は2年間、日本のドラフトで指名できないという、いかにもみみっちいものです。
あげく、その制限を5年にしろなどという声も出てくる始末(スポニチ・2012年10月22日)。
国内締め出しをちらつかせて脅しにかかるのは、目先の対策としては有効に見えるかも知れませんが、それでも日本の選手が続々と国外に出て、二度と帰って来なくなったらどうするのでしょうか。
などと考えると、これはもうどうしようもないな、という結論になってしまうのが残念です。
ともあれ、大谷のMLB志望について、私が手放しで喜んでいる面はあります。
鷲ファンの方には大変遺憾なのですが、花巻東の選手が国内ドラフトにかかったとして、鷲が交渉権を獲得したらそれが最期、確実に二軍が潰すわけですから。
報知新聞とは何だったのか。
まぁでも、このまま隠さずに自ら晒し続けるとしたら報道者として評価すべき態度ではありますが。
で、本来のMLB志望表明の報道はこちらで。
■ 大谷メジャー挑戦表明「やるからには世界一の投手に」(スポニチ・2012年10月22日)
本人の一問一答もみておきましょう。
■ 【大谷トーク】「メジャーへの憧れ強かった」(サンスポ・2012年10月22日)
率直にいって国内球団にとっては大ショックでしょう。うちもドラフト戦略が狂いそうですし。となると、大谷のみならず他のプロ志望選手にも少なからぬ影響が出るかも知れません。
ただ、私自身はというと、自分でも意外なほど違和感なくこの表明を受け入れています。少なくとも、田澤(当時新日本石油)のときのような「嫌な感じ」はありません。
なぜだろう? 私が「大人」になったから、といえば言えなくはないのでしょうが、それではまるで説明になっていません。
大谷の「思い」が伝わったから、というのもあると思います。ただそれも漠然としているので、もう少し詳しく言えば、MLBでの活躍を目的としていて、渡米を手段として利用しようという姿勢がない、となるでしょうか。
ですが、それより何より大きな要因は、問題があるとすれば大谷よりも新人獲得制度の未整備にあるわけで、MLBに行きたいという選手を叩いても何にもならないのが分かったことではと思っています。
ニッカンの記事に高校生とMLBとの交渉についてまとめてありますが、国内球団がドラフトで指名を行った場合どうなるのか、これでは分かりません。
つまり、国内球団の排他的な交渉権は翌年3月31日まで有効なのですが、この規定に外国球団が拘束されるかどうかが不明確ですし、ドラフトを無視してMLB球団が契約を強行した場合の規定なり罰則なりもないのです。
大谷のような選手が出てくることは、以前から分かりきっていたことです。なのに、ここまで何の手立ても講じられなかったばかりか、まるで想定できていなかったのが問題なのです。
スポニチの記事によれば、学生野球協会からも早急なルールの制定が求められているとのことです。私自身も、現状を野放しにすることはこれ以上認められないとは思います。
が……問題は2つあります。1つは、「ならどういうルールが必要なのか」。
NPBとMLBは優秀な選手の獲得を巡って利害が対立します。さらに送り出し側の学生野球協会も加わると、いずれの側にとっても納得のいくルール制定は容易ではありません。
何より、この3者のうち1者だけがルールを作っても、残る2者がそのルールに縛られる、あるいは従う保証はどこにもないわけです。
となると、結局は3者による交渉が必要になるのでしょう。学生野球協会にしても、ルール化を求めるだけではなく、その過程に参画するぐらいでないといけないのかも知れません。
にしても、もう1つのきわめて厄介な問題が残ります。NPBという組織が腰を上げるとは期待できない、腰を上げても多分ロクなことにはならない、ということです。
田澤のMLB入団を受けて彼らが作った規程といえば、国内ドラフトを経ずに米球団に入団した高校生は契約終了から3年間、大学・社会人は2年間、日本のドラフトで指名できないという、いかにもみみっちいものです。
あげく、その制限を5年にしろなどという声も出てくる始末(スポニチ・2012年10月22日)。
国内締め出しをちらつかせて脅しにかかるのは、目先の対策としては有効に見えるかも知れませんが、それでも日本の選手が続々と国外に出て、二度と帰って来なくなったらどうするのでしょうか。
などと考えると、これはもうどうしようもないな、という結論になってしまうのが残念です。
ともあれ、大谷のMLB志望について、私が手放しで喜んでいる面はあります。
鷲ファンの方には大変遺憾なのですが、花巻東の選手が国内ドラフトにかかったとして、鷲が交渉権を獲得したらそれが最期、確実に二軍が潰すわけですから。
MLB経験者を獲得できないことがリスクになることも考えられないのかと。
一方で、学生野球側がどうしたいかが見えないのも気になります。
ルール制定を訴えるのは結構ですが、彼らも他人事ではないわけで、
NPBなりMLBにまかせっきりでいいのかな、とは思いますね。
これが、企業勤めなら、日本の企業ではなくアメリカの企業に入社します。と高校生が言っただけのこと。
何年かして、日本に戻ってきて入社を希望する企業や業界団体が
「アメリカの企業に行った者は5年間採用しないと取り決めがある」と言い出したら
それこそ赤っ恥をかくだけ。(優秀な人材を余所に取られてしまうかも…。)
いまだに、一人の高校生の進路をゴチャゴチャと騒ぎ立てるのがまかり通るのは、
正直なところ、大人たちの図々しさをも感じます。