~光と闇の世界~ |
今日、上野の国立西洋美術館へ行ってきました。
4月1日に娘が部活の課外活動で行きましたが、約束通りもう一度、今度は家族で観てきました。
混雑を少しでも避けようと午後にしたのにも関わらず、GWともあって上野はいつも以上の人出で、駐車場へはどこも長蛇の列で全くと言っていいほど動かない様子でしたが、比較的すいている立体駐車場を知っていたので助かりました。
国立西洋美術館入り口で特別展・常設展の共通入場券を購入し、いよいよ中へ入ります!
国立ですので小・中学生は特別展も無料で入場できます。
大人は共通券は1100円。
子どもたちには“ジュニアパスポート”が渡され、それが入場券代わりになるわけですね。
これほどの数のラ・トゥールの作品を観られるのは、今回が“恐らく日本では今世紀最初で最後”のチャンスであると言うことですし、子どもたちもある程度大きくなったことなので、家族みんなで音声ガイドを借りての鑑賞となりました。
実は私たちも音声ガイドを借りるのは初めてだったのですが、もちろん絵の傍らの解説文だけでわからない細かい部分の説明もありますので、大変理解しやすく、ぐっと絵の中に引き込まれていく感覚が得られます。有料で4人で1800円(大人500、小・中学生400)かかりましたが、それだけの価値は充分あります。
ジョルジュ・ド・ラ・トゥールは17世紀の戦乱の続くフランス東部・ロレーヌ地方を中心に作成した画家ですが、没後は急速に忘れ去られ、20世紀になって劇的な形で再発見されたという経歴でも知られているそうですが、すでに世界的な画家であるにも関わらず、日本ではあまり知られていなかったと言います。
今回は40点ほどしかない真作のほぼ半数と、原作の模作・関連作をふくめた計30点あまりを観ることが出来るのです。
彼のタッチはとても滑らかで繊細、写実に優れていて、人物の小さいシワのひとつひとつ、細い金色の髪の毛の一本一本まで、見事に表現されています。また、当時の服飾の素材や風合いなども驚くほどの精密さで描かれているのには本当に感動してしまいます!
ご婦人の着るベルベットの起毛の様や、絹サテンの光沢などの表現はまさに写真のようで、どうしたらこのような絵が描けるのかと不思議にさえ思います!
また今回のテーマにあるように、“光と闇”の世界が実に幻想的に描かれています。
ロウソクの光に浮かび上がる明とその対極にある暗とのコントラストが、言葉に表す事が出来ないほどの神秘です。
ロウソクの炎の揺らぎ、炎が上に昇り闇と交わり消えてゆく様や、そのロウソクの灯りにかざした手の血潮が透けて見える様子など、もう奇跡を見るようです!
どんなに言葉で尽くしても尽くしきれないほど、感動を与えてくれました。
5月29日(日)まで開催しています。
日本に居ながらにして、これほどのコレクションを鑑賞することが出来たことを、心から嬉しく思います。
お土産に娘はクリアファイル、息子は手提げバッグ(図書館に行くとき使うそうです)を買いました。
左はご存知、ロダンの 『地獄門』 のレプリカです。
美術館の敷地にあります。
この写真では分かりづらいですが、扉の上・中央に 『考える人』 もいますね。
でも本当は“考えている”のではなく、“地獄門を通る人間をどれどれと眺めている”のだそうですね。
ちょうど西日があたってブロンズが輝いていました。
行きたいですが、なんだか中途半端に実家にいました。
つい最近まで工事をしていた「地獄門」のあたり、「この連休前に」綺麗にしたのですね。
美術館のお土産はとにかく葉書を買ってしまいます。
久々に見ごたえのある絵でした!
私も油絵は描いていたので、どうやったらこんな風にと、そればかりが頭にありました。
当時は写真も何もないのに、イマジネーションや洞察力がすごいと思いましたね~
“地獄門”の作り直し工事の工程がキャプションに書いてあったそうですが、私は見そびれました…。
残念