
吾妻ひでおの新刊だ。
前作から何年経ってるのか?前作失踪日記から8年とか。失踪日記の後半で描かれていたアル中病院での出来事が詳細に語られていておもしろい。失踪日記もそうだったが、特に大きな事件が起きることなく(失踪が大きな事だとは思うけども)エッセイ風に淡々とホームレスやガス屋住み込みなどが描かれている様は、説明がしようのない魅力がある。
吾妻ひでおがアル中になり病院に入院、その中での生活を描いた今作も同様に語るには難しい魅力に溢れていると思う。300ページを超える内容だが、とても読みやすくおもしろい。そこは画風に依るところが大きいかもしれない。
興味深いのはアル中になる原因と過程を一般的な場合で語るところだ。自分はほとんど酒を飲まないし、酒が美味しいとか感じないので禁酒法時代になっても構わないのだが、自分の立場から酒を飲まないとやってられない人というのは、やはり、それなりの理由があるのだなあとちょっと理解できた。それでも酩酊したところで、目の前の現実が変わるわけでもないので、今後も自分は酒を飲みたいとは思わんだろう。
アル中は不治の病。飲んでも飲まれるな!だ。でも漫画はとてもおもしろいのでお勧め!