★we were on a break★

お久しぶり!

『告発のとき』

2008-09-02 22:26:03 | 映画
大好きなSATCは別として、
最近ノーテンキ気味な映画ばかり見ていたシウ。

久しぶりに(と言ってはなんだけど)
きちっと考えさせられる作品を見た。

見て良かったって思った。

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旧約聖書の巨人ゴリアテとダビデのエピソードが
とても重要な使われ方をしている。
重要どころか
原題の『エラの谷』というのは
そもそもダビデがゴリアテを倒した場所。
邦題の『告発のとき』では
その深い意味がまったく含まれないので
とても残念。

星条旗を逆さに掲げるというのは
救難信号なんだそうだ。
逆さにしても変わらない日の丸では
わからないことだよね。

白黒はっきりさせない、
誰が悪でも善でもない、
そんな作風のポール・ハギスらしさが
今回もよく出ている。
ややこしい人間の業が生み出してしまう大きな存在が人々を苦しめる。

元軍人のハンクは
エミリーの息子にゴリアテの物語を語る。
彼の誇り高き軍人の魂は
もちろん、自分達軍人が国のために戦う勇敢なダビデだったんだろう。
でも、そんな彼の自信は
完全に闇の底に沈んでしまうのだ。
ゴリアテは世界を挑発するアメリカそのものなのか、
人間が作り出してしまった複雑で大きなしがらみなのか。

母のジョアンは2人の息子の死を悼み、泣く。
そして、
父のハンクは息子達を戦場に導いてしまった、
虚しい英雄意識を教えてしまったことを
一生背負い、悔い続ける。

哀れだよね。

逆さにはならない日本の国旗を掲げ、
わたしたちはダビデにならなければいけないときなのかもしれない。
日本も確実に戦場に兵士を送り始めているのだから。




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