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お久しぶり!

『食べて、祈って、恋をして 女が直面するあらゆること探求の書』 エリザベス・ギルバート

2010-12-13 12:53:11 | 読書
ものすごく期待して見た映画だったのだけど
頭の中にたくさんの???が出てくる映画だった。

全体としては好きな方。

イタリアでの食べ物はあくまで美味しそうに描かれ
インドやバリの景色もすてき。
音楽もまぁまぁ、雰囲気はおおむね心地良い。
バルデムもフランコも、ジュリアも大好きな俳優たち。

でも、
主人公リズの行動の意味がまったく伝わってこず、
共感できるなんていう部分が一つもない。
肝心な人間ドラマが描ききれてないのが残念だった。

ま、観光映画として、見たら。
という出来。

でもこのエリザベス・ギルバートという人に
すごく興味があったので
原作を読んでみることに。

読み始めて思ったことは

「神様、今の私にこの本を与えてくださって、ありがとうございます。」



気軽で読みやすい言葉でつづられるリズの言葉は
一つ一つが心に響く。

入院生活を始めたばかりのシウには特に。

どうして夫と別れなければならなかったのか
どうして若い恋人(ジェームズ・フランコが演じた彼)と泥沼のようになってしまったのか。

「犬は飼い主に似る。」
という友人の夫の言葉にあれほどショックを受けたのか。

1年を3つに分けて
イタリア・インド・インドネシア(バリ)滞在、だったのか。

リズの心に吹き荒れる嵐が
やがておさまり、
最終的に
「時にはバランスを崩すことも、
 バランスのとれた人生の一部なんだよ。」
という言葉に行きつく。

自分とはこうあるべきだ、と決める“自分”というものが
自分を一番苦しめる要因なのだ。


人生を支えてくれるこの世界の人々の恩に報いることなど、
どだい無理な話なのかもしれない。
結局、報恩をあきらめて、
人間の寛容さの計り知れない大きさに降伏し、
永遠に心をこめてこの声がある限り、
ひたすらありがとうと言い続けることが賢明な道だと言えるのかもしれない。
      ===最後に===エリザベス・ギルバート

この最後の言葉を読んだ時
シウは心臓が止まりそうだった。

入院してすぐ読み始めたこの本が
シウの入院生活をずっと助けてくれると思って
どんどん読んでしまうのがもったいなく、
3つ目のバリ島の章は退院が決まってから読み始めた。

最後のページに行きついた時
シウは入院中ずっと自分が思い続け、言い続けていたのと
まったく同じ言葉をリズが書いているのを見て驚いたのだ。

人から、本当にありがたい恩を受けたとき
これから自分はどうやってこの恩をお返しできるんだろうか・・・と考える。
今回の入院中、シウはたくさんの人からそんな恩を受けた。
自分にもできることがあったら、
皆が喜ぶようなことをしてあげたいと思うけど
じゃあ、何をすればいいのか、全然考えつかない。
皆の身に“助け”が必要なことなど起きてほしくないし。
やっぱり、ありがとうって言い続けるだけなのかもしれない。
今回皆の愛情を感じられたことに感謝しながらね。

一生忘れられない本になった。
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