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日経平均2万円割れあるか ・豊島逸夫

2018-10-25 | 報道・ニュース

日経平均2万円割れあるか 2018/10/25 情報元日本経済新聞

 24日夜、BSテレ東の「日経プラス10」に生出演したのだが、番組の最後に、最悪シナリオを聞かれたので、「日経平均2万円割れ」と答えた。さらに「私はそうなるとは思わないが」と付け足した。

その後、24日のニューヨーク(NY)市場の株価は大幅に急落した。筆者は依然そうなるとは思わないが、日経平均2万円割れが視野に入ってくる展開となっている。

24日の番組出演は「サウジ異変」がテーマで、前半は本欄に連日書いてきたことを要約して語った。そして、後半に「今後の相場動向」のテーマに移行。筆者がNYでヘッジファンドに日本株レクチャーを依頼され、議論したときの要点を語った。以下に紹介する。

「日本株を売買する、いわゆる外国人投資家には、ウォール街を離れ、ビルの一角で大型コンピューターを駆使して、高速売買に従事する独立系の短期投機筋が多い。ひたすら人工知能(AI)とチャートを武器に、売買攻勢を仕掛けてくる」

「彼らの注目はミスター・アベよりミスター・クロダだ。特に日銀の出口戦略の行方について興味を示す。日本では2020年などいまだ先のこととされるが、彼らはFRB(米連邦準備理事会)、ECB(欧州中央銀行)の次はBOJ(日銀)として切迫感を持ち、日銀の出口戦略をフォローしている」

「特に、25兆円程度に膨らんだ日銀の上場投資信託(ETF)購入残高をどう処理するのか、と聞かれる。この日銀買いにより日経平均は4000円ほどかさ上げされているのではないか、との意見もあった。そのかさ上げ部分が剥落したら、日本株を本格的に買う意欲を見せていた。筆者は、日経平均は2万3000円台が居心地がよい水準と思うが、短期的には外国人の投機的売買により、大きく乱高下しよう」

このような市場環境で、NYダウ工業株30種平均は連日乱高下を繰り返しており、24日は引けにかけて下げ足を速め、前日比608ドルもの急落を演じた。特にきっかけとなった大きな要因は見当たらない。AI発の売りが売りを呼ぶ連鎖現象といえよう。

日本株も中期的に悲観論が増えそうだが、ここは、短期投機筋にとって草刈り場となる。先物で売られたものは必ず買い戻される宿命にある。個人投資家にとっては、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の企業業績をじっくり見定める段階であろう。

株価急落の背景には、通商摩擦、新興国の経済不安による世界景気の曲がり角の可能性がちらつく。ミクロ、マクロの複眼構造で市場を見ることが欠かせない。

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