その主婦は、何かにとりつかれたように、カレーを作り続けていた。作っても作っても、直ぐにそれは無くなってゆく。誰が食べているの?私は一人なのに。
それならば、誰かと繋がりたい。その主婦はカレー店にパートとして、働き出した。彼女の作るカレーは評判を呼び、瞬く間にお客は増えていった。自己肯定感、それが一番欲しかったんだ、私は!
11時開店一番に、ある家族が来店した。その姿を見た彼女は溢れる涙を押さえる事が出来なかった。その家族は自分の夫、息子、娘だった。
「いらっしゃい」涙声で声をかける。家族も皆泣いていた。
彼女の娘が呟く。
「お母さんは、やっと自分を取り戻せた。自分が豊かさを得て初めて、家族のことを正しく見ることが出来たんだ」と。 完
それならば、誰かと繋がりたい。その主婦はカレー店にパートとして、働き出した。彼女の作るカレーは評判を呼び、瞬く間にお客は増えていった。自己肯定感、それが一番欲しかったんだ、私は!
11時開店一番に、ある家族が来店した。その姿を見た彼女は溢れる涙を押さえる事が出来なかった。その家族は自分の夫、息子、娘だった。
「いらっしゃい」涙声で声をかける。家族も皆泣いていた。
彼女の娘が呟く。
「お母さんは、やっと自分を取り戻せた。自分が豊かさを得て初めて、家族のことを正しく見ることが出来たんだ」と。 完