俺は小豆が無性に食べたくなり、スーパーで購入した。豆から煮るなんて、初めての経験だ。俺は袋の裏側のレシピを凝視する。 「ふうん…なになに鍋に小豆を入れて優しく洗う…か」優しく…音楽はショパンのノクターンにしよう。癒しの音楽に合わせて豆を優しく洗う。そして水から強火にかけて煮ると灰汁が出るので、一端煮汁を捨てた。
「よし次はと…沸騰したら豆が激しく踊らない程度の火力に気を付けてながら…」するとUSBからは激しいダンスのリズムが流れきて、自然に俺は激しく踊り出した。
「何でなんだよ!USBメモリー、癒しのクラシックからのこのリズム!反則だっ!」
俺は小豆のことなど、すっかり忘れて踊り狂う。台所からは焦げた匂いが立ち込めだした。 Fin