【創作びより】

【宣伝会議賞ブログ】作品意図[企画意図]の書き方(私の場合)

 「宣伝会議賞」「作品意図の書き方」で検索して、見に来てくださっている方がおられるようで、ありがとうございます。なのに、「インドカレー」とか「餃子酒場」ばかりが引っかかって、ほんまにすみません(書くことと食べることが大好きです)。

現役コピーライターであり、根っからの世話焼き、関西のおばちゃんが、「誰も教えてくれない、宣伝会議賞の作品意図の書き方」をお教えします。「誰も教えてくれない」とか、ちょっとカッコよくないですか?  「プロが伝授」とか「永久保存版」とか書くとサマになるのかもしれませんが、まだ(私の場合)とか付けているところが弱気(そんな自分もちょっと好き♡)

前置きはともかく、「娘が宣伝会議賞の中高生部門にチャレンジするのはいいけれど、お父さん、作品意図ってどう書くの?と聞かれて困っておられるお父さん」必見!

作品意図は、受賞した際、これまでの例で言うと、インターネットで紹介されることはありませんでした。SKATにも掲載されません(来年、変わるかもしれませんが)。

一次審査のとき、コピーはエクセルで一行ずつ並んでいると、審査員評で読んだことがあります。

膨大な量のキャッチコピーやテレビCM、ラジオCMを審査するうえで、一本一本、企画意図を見る審査員は少ないのではないでしょうか。

実際の広告に使われる場合も、キャッチコピーは企画意図を伴わず、一人歩きします。「どういうこと?」と惹きつけるコピーが紙媒体全盛の時代にはよく見かけられましたが、紙媒体からネット媒体に移行している今の時代、コピーはそれだけで「なるほど!」とひざを叩かせる力が必要です。

なのに、なぜ、作品意図が必要なのか……。広告は大きなお金が動きます。たくさんの人が一緒に仕事をします。例えば、広報部の鈴木さんが「このコピー、いいなぁ」と思っても、なぜそのコピーを選んだのか、上司の佐藤部長に意図を説明するのは難しいと思います。なので、キャッチフレーズを書いた本人がぜひ、「こういう考え方で書きました」「こんな想いで書きました」という説明をしてあげてください。

難しいことは書かなくて、大丈夫です。長く書く必要もありません。作品意図が重要になるのは、最後の最後に、同じような作品が残ったとき、「なるほど、そういうことか」と、審査員や協賛企業の方を納得させる判断材料になれば十分です。

特に、企業協賛賞は、スポンサーの方々が会議を開いて、「こっちがいいかな」「このコピーもいいよね」と選んでいる風景を想像して書いてみるのもいいのではないでしょうか。

ちなみに、私の場合は、まずはコピーだけを書いて、応募するときに、作品意図を考えながら、入力していきます。

コピーだけを書いていき、作品意図を書いていて、いいコピーが浮かぶと、青いペンでコピーを書いておきました(ただし、これはスケジュール的にゆとりがあった時。締め切り間際は、ノートに書きとめるゆとりもありませんでした)。

 

「どういうこと?」と聞いてくる娘に説明するイメージで、言葉を言い換えたり、平たくします。

昨年の作品意図が、スマホのメモに残っていました。よければ、参考にしてください。

✳︎昨年は、締め切り後もしばらくコピーと作品意図を見ることができたので、コピペしておきました。

 

【イエシルの場合】

マンション売買を始める前に、ビックデータを用いたイエシルの査定価値をチェックしよう!と思ってもらえるアイデア

 

[作品]

「ぶっちゃけ」の査定価格が出ます。

[作品意図]

公平な査定価格が出ることを表現しました。

 

[作品]

つまり、客観的ということ。

[作品意図]

ビッグデータを用いているので、私情が入らない査定であることを表現しました。

 

[作品]

駆け引き、一切なし。

[作品意図]

公平な査定価格が出ることを表現しました。

 

[作品]

イエシルの辞書に、「ひいき目」という文字はない。

[作品意図]

公平な査定価格が出ることを表現しました。

 

 [作品]

プラマイゼロの査定、イエシル。

[作品意図]

プラスもマイナスもない公平な査定であることを表現しました。

 

[作品]

シビアではなく、リアルです。

[作品意図]

感情抜きの査定であることを表現しました。

 

[作品]

家は、サバをよめない。

[作品意図]

イエシルの査定だと、ごまかせないことを表現しました。

 

[作品]

あなたが思っている以上に、

あなたの家は老けている。 

[作品意図]

イエシルなら、正当な査定価格がわかることを表現しました。

 

【大同特殊鋼の場合】

大同特殊鋼のことを、より多くの人に知ってもらうアイデア

 

[作品]

あなたは、何度も触れている。 

[作品意図]

知らない間に触っていることを表現しました。

 

[作品]

知らないうちに、知っている。

[作品意図]

気づかない間に使っていることを表現しました。

 

[作品]

踏んでる、踏んでる、トクシュ踏んでるって!

[作品意図]

知らない間に、トクシュの製品が足元にあることを表現しました。

 

[作品]

知らずに触れてる高技術。

[作品意図]

知らない間に触れていることを表現しました。



「作品意図で悩む時間があれば、一本でも多くコピーを書く」というのが私の信条です。
「◯◯は△△であることを表現しました」以外にも、「◯◯をアピールしました」「という思いを込めました」などのバリエーションがあります。
 
作品意図を考えるなかで、「あ、私、本当はこんなことを言いたかったんだ」と気づき、そこからコピーが生まれることもあります(シルバー賞を受賞したコピーがまさにそうでした)。
面倒がらず、この瞬間こそ、名コピーが誕生するチャンス!と楽しんでみてください。


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