おはようございます!
菱和園の山田です。
今回も千利休のお話をさせて頂きたいと思います。
今年の8月の事ですが、
彦根藩井伊家の茶道具を通じ、茶の湯の文化を分かりやすく伝えるテーマ展「茶道具の“い・ろ・は”」が彦根城博物館(滋賀県彦根市)で開かれていました。四字熟語「一期一会」が世に広まるきっかけとなった書物など井伊家に伝わる900点もの中から34点を厳選して紹介していました。
千利休の代表的な名言に、「一期一会」があります。
このことばには、茶の湯のこころが凝縮されています。
今日のこの出会いは、今日が初めてで最後かもしれない。
主人は真心を尽くして一服の茶を立て、客もその茶を心から味わう。
ひとときの時間を心を通わせて共にしましょうという意味です。
過去でも未来でもない、茶室で共にしている「今」は一度きりの時間です。
お互いに誠意を尽くして感謝しましょうという意味なのです。
茶室という閉ざされた空間で、縁あって招いた客と心を通わせて同じ時間を楽しむ。
豊かな時間は豊かな人間関係を結び、この先もしまた出会うことがあればその出会いは大きなものになるかもしれない。
だから、どんな出会いもそのとき限りかもしれないと心得て大切にしましょう、
という意味につながっていきます。
現代のコミュニケーションのあり方や人との接し方で、参考にしたいことばですよね!
わたしも一期一会の言葉を胸に、何度も会っている友人と会うときも、会っている時間を大切にしたいと思います。今は別に住んでいる親に接するときも、大切にしていることばです。
常に今が最後、と思って接すれば、自ずと思いやりを持って相手にやさしくできると思います。
先日、千利休の侘び寂びのお話しをしましたが、言い表す有名な逸話に、朝茶会の朝顔があります。
夏の朝、茶会に招かれた豊臣秀吉が千利休の屋敷に出かけてみると、庭の朝顔はすべて摘み取られています。
豊臣秀吉は、招いておきながらこれはどうしたことかと疑念をもって茶室に入ると、薄暗い茶室には、
一輪の朝顔が、何事もなかった様に涼しげに生けられていました。
この心憎い(こころにくい)演出に豊臣秀吉は感心し、たいそう喜んだといいます。
涼し気に咲くアサガオをつみ取って、一輪だけを床の間に生けた
このエピソードは、武将・豊臣秀吉を驚かすには、どうするか相当考えに考え抜いて浮かんだ
アイデアでしょう。
客を迎えると決まった、その時から既におもてなしは始まっています。
朝顔をすべて摘み取ってしまうという大胆な行動で、おもてなしは大成功!
千利休のサプライズは秀吉を喜ばせたのです。
この粋な計らいが、何とも言い難いエピソードと言えますね!
千利休ワールドに豊臣秀吉を引き摺り込もうとしていたかどうかはわかりませんが、少なくとも豊臣秀吉が千
利休のセンスを理解してくれる感覚の持ち主であったことは間違いありませんね。
いつの時代もお茶はコミュニケーションの場に不可欠なものですね!
甘い茶請けと美味しいお茶で楽しい時間をお過ごし下さい。
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