雑多な日用品で、昔は重宝されたものでも、今となれば意味さえ不明になってくるものもある。
佐倉市の最も古くからの商店街にある日用品の老舗。
店頭に、ぬか漬けの水抜き器というのが展示されていた。水抜き器ってわかるだろうか。
昔は、各家庭でぬか漬を漬けていた。
漬物の樽の中に水抜きをセットしていた。
わたしなら、辛うじてわかるが、ぬか漬けのつけ床は、漬けている野菜の水が滲み出してきて、床が水っぽくなる。変質しやすくなる。
それを防ぐために漬け床に水抜きを入れておき、水が出てきたら掻い出すのである。
その水抜き器を売っていたのである。
これは、陶製の容器だが、たしか細長い竹ざるもつかわれていたのではないかな。
竹ざるを使う場合、水はときどきお玉で掻い出すのである。
古い商店街、老舗ならではの品揃えを見せてもらったので、私は、戦前の生活文化、昔のかすかな記憶をゆさぶられる思いがして、思わず写真に写したのであった。
ことに近年は、衣食住の欧風化、核家族化などで生活様式の変化はすさまじい。
漬物の水抜き器みたいな、身の回りから去ってゆこうとするこのような変化は沢山あるに違いないと思うのである。
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