サンズ・トーク

防災行政無線が聞こえる

近所の公園の脇に、防災行政無線のスピーカーが設置された。
非常時の、役所からの情報がいち早く住民に届くようにとの配慮で、住民からの要望でこの3月だかに取り付けられた。

かなりの音量で放送されるので、私の家からも良く聞こえる。

緊急の災害といっても、われわれの町ではどんな対処が求められるのだろう。
海から遠く、大津波というのは考えられない。
大地震で、町中出火して、避難せざるを得ない事態が起こるのだろうか。
わが町は、田園都市みたいなもので、空閑地が多く、逃げることもなさそうなのだ。
どんな場合に、この防災行政無線が効果を発揮するのだろうか。私は、頭が固いせいか、想像が及ばないのである。

今、どんな放送がされているかというと、子供たちが学校から下校する時間になりました。
住民の皆様は、子供たちの下校の安全をどうか見守って上げてください。といっている。
そこで、ああ、もう3時過ぎか、おお、よしよし、車に気いつけてお家へお帰りよ。と思う。



もうひとつの放送のパターンは、○○町で、80歳の男性が外出して行方不明になりました。
背丈は160センチぐらい、ねずみ色のセーターに紺色のズボン、丸顔で白髪。お心当たりのある方は最寄の警察までお知らせください。
だという。
こりゃあ、何とも心配で、わびしい。
もしかして、私の近未来の姿じゃなかろうかと、ひとりで悲哀にくれたりするのであります。
まさかそうはならないよね。大丈夫だよね。
俳諧は松尾芭蕉だが、徘徊じゃやりきれんよね。
放送を聴きながら、ビミョーな気持ちになったりするのでした。

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