原宿駅から明治通りを超えて表参道のけやき並木の中程にあるこのビルは、地上六階地下六階。
この地の特色をフルに生かして、ブランドショップやブティックが賑々しく店を開いている。
この土地は、昭和の初期に造られた同潤会青山アパートがあったところである。
関東大震災で東京は焦土と化し、耐火住宅が必要となり、同潤会がコンクリート造り集合住宅を都内各所に造った。
当時、同潤会アパートは近代的な文化生活の証として、非常に人気があったようなのだ。
ここの青山アパートは、太平洋戦争の戦火にも屈さず、存続し続けたのだった。
今見ると、その古いアパートの一角が記念碑のように、表参道ヒルズの一部に取り込まれているのだった。
それにしても、この表参道というところ、けやき並木の歩道には用事もなさそうな若者が沢山たむろしている。
盛装した、あるいはデフォルメメークをしたようなレディがうろうろ、中に、スカウトのような、又は詐欺師のような男が声をかけたりしている。
地に足がついたらしい人は、このあたり滅多に見かけないようだった。
私にしたところで、オレ何のためにヒルズの中に踏み込んだのだったか、判らなくなった。
ブティックの商品に魅力を感じたわけでもなく、何か食いたいのでもなく、どうしてここにいるのだろう。
私、ここでは異邦人だったのだ。エトランゼ爺さんだったのでした。
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