藤沢周平の短編小説集からのドラマ。
「吹く風は秋」
年老いた博徒の壺振りは、親分との義理を欠いて江戸を離れていたが、身終いをしたくて江戸へ戻ってきた。
そして親分に侘びをいれると、大きな賭場を開くが、丁半の壺を振れと言われる。
その当日、賭場・鉄火場の正面に座って、壺を振り、賽ころの丁半。
その壺振り<橋爪 功>は、表情を消してひたすら、賽の目を出し続ける。
結果、大きく巻き上げたてら銭が親分の懐にはいり、過去の不義理を許してもらう。
「おめえの腕には、ヨクわからねえが恐れ入ったぜ」
「イヤ、いかさまはやっておりやせん」
そして、ツボ振りは何十両だかの褒美をもらって、江戸、大川の橋のたもとにやってくる。
傍に遊郭があり、賭博のかたに何十両だかの借金を背負って女郎に売られた女性がいる。
ツボ振りは、その女郎に何十両だかの金を渡し、これで、借金を払って足を抜き、自分の里へ戻れという。
そして、旅姿の賭博師は、橋を渡って、江戸を去ってゆくのであった。
この老いた賭博師、ここにも、密かに消さねばならない過去の不義理があったのだろうか。
最新の画像もっと見る
最近の「文化」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事