この時期になると小学6年生は修学旅行に出かける。旅行自体は東京と鎌倉方面を1泊2日で回る安近短コースだが、子どもたちにとっては大興奮の旅だ。さんあいの子どもたちは、一緒に暮らすユニットの子たちのために職員のために必ずお土産を買ってきてくれる。最初は「そんなに気を遣わなくてもいいよ。」と言っていたが、もうそれは言わない。
良く考えたら、子どもにとって修学旅行のお土産を買うことは、大きな楽しみだ。家族の喜ぶ顔を想い、友だちとあれこれ品定めをしながらお土産を買うこと自体が楽しいのだ。でもお土産を買ってあげる家族がいなかったとしたらこの楽しみを友だちと共有できない。だからさんあいの子どもたちは家族の代わりになってくれている職員や同居児のために、持っているお小遣の額と品物の値段、そして皆に配れる個数を悩みながらお土産を買う。
職員は、そんなお土産をもらったら、“ありがとう”と精一杯の感謝を言う。決して“気を遣わなくてもいいよ”などとはいう言葉は使ってはいけないのだ。
今晩、2人の女の子が修学旅行から帰って来る。満面の笑みでみんなにお土産を披露する光景が目に浮かんでくる。
さんあいの子どもたちと職員